さてさて、定刻よりも6分遅れでスタートラインをまたぎます。
まずは「関門」との戦いになりそうな、今年の北海道マラソンです。
最初はパレードランのごとく、にぎにぎしく大通からすすきのへと向かいます。
途切れない応援、一生懸命に走るランナーの集団を見ていると、「マラソン大会の世界に帰ってきたな」という感じがしますね。
「頑張れ~」「ナイスラン」のお声がけが心地よいです。
中島公園の辺りで、「最後尾の世界」で日本各地のマラソン大会を走られる「人気ランチューバー」である「酷道ランナーさん」のお二人に遭遇。
エプロンにコック帽という、マラソン大会にはふさわしくない服装の私に対して
「フォーマルな服装ですね」
というお褒めのお言葉をいただきました。
この「正装」で、42.195㎞の道のりを走り切りたいと思います。
3㎞地点の幌平橋で、このコース唯一と言ってよい上り坂。
ここで坂を上るランナーの集団が視界に入ると
「自分は2万人もの集団の中のひとりに過ぎず、ランナーの作る流れを川に例えると、水しぶき程度の存在なのだな」
と、毎年思う。
ベタであるが、方丈記にある
「ゆく河の流れは耐えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
というフレーズが頭に浮かぶ。
「マラソン大会」という「川の流れ」の中では、速い人も遅い人も、普通のカッコをした人も目立つカッコをした人も、みんな水滴のような、はかない存在なのである。
川の流れに従って、自分は「北海道マラソン」という川に流れる水滴のように、水滴らしい役割を果たそうじゃないかと、思うのであった。
無理に川の流れに逆らって走ることはない。
自然に自分らしく進んでいこう。
5㎞地点通過。
時刻は9時28分。
関門閉鎖時刻は9時35分なので、セーフ!
私なりに本気で走っているつもりなんだが、関門7分前か、危ねえ危ねえ。
去年よりも気温は低くてラクなはずなんだが、やっぱ体調不良の影響もあり、走力は落ちているなあ。
まあ、でも、このペース守ればこの後の関門には余裕ができるはずなんで、気にせずマイペースで進んでいきましょう。
平岸街道に出て、5.4㎞地点で給水。
去年は猛暑で水がなく、阿鼻叫喚の雰囲気であった給水所であるが、今年はそこまで熱くなく、更に2㎞地点に新たに給水ポイントができたことから、そこまででもなかったですな。
ただ、去年の教訓を生かして、応援に来る家族に頼んで、麦茶とゼリー飲料の差し入れをリクエストいたしました。
んー、しみるねえ。
よし、体調不良は治った。
差し入れ、ありがとうございました。
さ、スパカツパワーで、あと37㎞頑張っていきましょう。
きっと泉屋の店長さんも、釧路でテレビ中継見ながら応援してくれているはずだ。
5㎞からは、若干下り基調になって、走りやすくなります。
石狩街道に入って、9㎞地点で、道マラ名物「創成トンネル」に入ります。
去年もそうだったんですが、トンネルの中はもぁ~っとした空気で、サウナみたいですね。
ここで体調がちょっと悪くなり、頭がクラクラしてきましたが、「トンネルを出るまでの我慢」と割り切り、ペースを少し落としながら、ちんたら進んでいきます。
予想通りトンネルを抜けたら、また頭がクリアになって体調が戻ったんだが、この「湿度が高くて閉鎖的な空間がダメ」ってのは、メンタル的なものもあるのかね。
10㎞地点通過。
時刻は10時4分。
関門閉鎖時刻は10時15分なので、11分セーフ!
ちょっと余裕が出てきましたね。
コースは北24条通りに出て、「ジャック・スパロウ」の仮装で走る「たいがぁ」さんとご一緒します。
ここでも家族の応援を受けてパワーアップ。
10㎞過ぎて、やっとエンジンがかかってきたかな。
にしても、目立つ仮装の人と一緒に走ると、沿道の応援は全部そっちの方に持っていかれる(笑)。
別に人気争いをしているわけではないのだが、ちょっとジェラシーを感じてしまうのであった。
14㎞地点で、早くも反対車線を走る先頭ランナーとすれ違いますな。
いつ見てもトップ選手の走りは、42.195㎞を短距離走の勢いで走っているように見える。
私が時速9㎞で進んでいて、トップランナーは反対側から時速20㎞ぐらいでやってくるわけだから、相対速度で言えば30㎞/hぐらいのスピードで走っているように感じられるんだなあ。
もうこれは人間ではなく、原付の速さじゃん。
15㎞地点通過。
時刻は10時39分。
関門閉鎖時刻は10時55分だから、16分セーフ!
もう関門は気にしなくてもよさそうかな。
今のペースでずんどこ進んでいこう。
19㎞からは、道マラ名物「魔の新川通」に入ります。
ずっと殺風景な日陰のない直線が続く、ランナー泣かせの道ですが、私は昔この辺に住んでいたこともあり、どの辺に何があるかわかるのが強みです。
大型書店「コーチャンフォー新川店」、スーパーアークス、札幌手稲高校、前田森林公園をランドマークにすれば、そんなに飽きなく走れるんじゃないかと思います。
この辺は街中に比べると、確かに応援の数は減るが、クラブチームが設営する「私設エイド」の数も多く、ランナーを元気づけてくださいます。
20㎞手前では、今年も国際情報高校の吹奏楽部が、にぎやかに応援メロディーを奏でてくれます。
これも北海道マラソンを走るひとつの楽しみであります。
私が通過したときは、大黒摩季の「ら・ら・ら」が演奏されていましたが、個人的には、甲子園応援で智辯和歌山が使う「魔曲 ジョックロック」が聞きたかった。
これを聞くと、気分だけは「こっから逆転優勝!」ってなりますね。
20㎞地点通過。
時刻は11時13分。
関門閉鎖時刻は11時35分ということで、かなりセーフ!
よし、かなり貯金ができたぞ。
体調も安定してきたし、これで今年も楽しく北海道マラソンは完走できるなと確信いたしました。
(つづく)