2025年8月31日。
私にとって10回目の北海道マラソンの日がやってきました。
いつものように、札幌から約40㎞離れた実家で前日から過ごします。
体調的に不安はありますが、睡眠はしっかり取ることができ、悪くはない朝の目覚め。
ここまで来たら、腹くくって走るしかないですね。
バスターミナルまで家族に送ってもらい、始発のバスに乗り込みます。
40㎞地点の北大メインストリートで待っている家族のところまで行けたらいいんだがな。
7時40分、大通公園到着。
気温は22度と涼しくていいですな。
これで太陽が出ていなければ完璧なのだが、多くを望んでも仕方がない。
与えられた環境で、できることをやっていこう。
荷物を預けて、仲間が待っている「最後尾Jブロック」へ。
あー、皆様お久しぶりでございます。
色々ありましたが、私はなんとかスタートラインにたどりつくことができました。
ここまで来れただけで、私はもう感無量でございます。
「ホントにこの人たちは、これからフルマラソン走るのか?」というようなフォーマルな格好をしたクセの強い人たちと記念写真を撮ります。
そして、もちろん今年もアンパンマンことかっぱちゃんは健在です。
私が10回も道マラに参加しているのは、この方の影響がものすごく大きいです。
かっぱちゃんを見習って、「自分も楽しみ、そして沿道の応援や、周りのランナーを楽しませる存在になりたい」と思いながら、ここまで走ってきました。
しかし、今年は自分の走ることだけしか考えられず、スタート前から全然余裕がなかったですな。
最後尾に周る余裕もなく、Jブロックの真ん中よりちょっと後ろぐらいから、スタートラインへと向かいます。
スタートラインが近づくにつれ、テレビ塔も見え、お祭り的な雰囲気が盛り上がってきますが、それを楽しむ心のゆとりがないですな。
号砲から6分32秒後に、スタートラインをまたぎました。
ここから私の北海道マラソンが始まります。
スタートから倦怠感やや強め。
これは厳しい戦いになりそうだなと。
ペースがどうとか考える余裕もなく、とにかく心拍数を上げすぎないように、倒れないことだけを第一に淡々と進みます。
駅前通りから、すすきのニッカ辺りを走っているときは、パレード走行のような感じでしたね。
大都会の真ん中を堂々と走れることに感謝していこう。
2㎞地点の中島公園には、今年も家族が応援に来てくれていました。
ありがとうございます。
今年はどこまで行けるかわかりませんが、できるだけ前に進んでいきたいと思います。
5㎞地点通過。
制限時間6分前。
自分としては極めて真面目に走っているつもりなのだが、思った以上にギリギリの戦いになりそうですね。
とにかくキロ8分近いペースでもいいんで、心拍数を140以上に上げないように、着実に進んでいきましょう。
余裕がなくしょぼしょぼの走りでありますが、沿道からありがたいことに「釧路駅!」「駅長さんガンバ!」などの、私向けの応援をいただきます。
変わった格好をすると、自分向けだってわかる応援があるから、仮装ランはやめられない。
応援にはできるだけ手を振って、「ありがとうございます!」とニコやかに応えることを心がけます。
応援があるから、カラ元気を出して頑張れる!
9㎞過ぎからは、道マラ名物「創成トンネル」。
日差しが当たらないのはいいのだが、ここはサウナのような灼熱地獄。
感情を無にして、淡々と進んでいくのみです。
1㎞ぐらい進んで、空が見えるときの喜びは、言葉には表現できない。
10㎞地点通過。
制限時間10分前通過ということで「セーフ!」。
まだまだレースは続けられそうです。
10㎞を過ぎても応援が途切れない北海道マラソン。
このまま「北のすすきの」と言われている、北24条通りの繁華街を走り、15㎞地点へと向かっていきます。
まだレースは始まったばかり。
ゆっくりながらも、私のエンジンもやっとかかってきたかな。
トップランナーとすれ違いながら、15㎞地点通過。
制限時間14分前と、ちょっと盛り返してきたかな。
このペースで走り続けられれば、今年もどうにか完走できそう。
ところが琴似栄町通に入って、17㎞地点で突如走れなくなりました。
完全にハンガーノックにかかってしまいましたね。
慌てて補給食をかっこむが後の祭り。
「疲れる前の補給」が、なかなかできない私です。
マラソンは一度歩き出すと、心まで折れてきますね。
「あー、もう走れんな。今年の道マラは25㎞の前田森林公園で終わり。明日も仕事だし、無理することはない。安全に辞められるところで辞めよう」と、ひたすら歩き倒します。
今年の「釧路湿原ノロッコ号」は、途中下車してバスで帰ります。
もう完走する気は全くないのだが、19㎞を過ぎて、道マラ最大の難関、往復13㎞の直線道路「新川通」に入ります。
新川通でも白目ひん剝きながら歩いていた私。
あまりに辛そうな表情をしていたのか、ここでゴミを拾いながら走る「レースプロッガー」の方から、救いの手が差し伸べられました。
(つづく)