11月12日(土)続き
釧路から深夜バスに揺られ、早朝に札幌に到着し、そのまま距離にして31km、総上昇量にして約1400mのロードやトレイルを駆け抜けた、無駄にアグレッシブな私です。
なんでこんなに疲れることをしたかと言うと、その先に待っている快楽をより楽しむためなのであった。
その快楽とはズバリ
サウナ
わたしゃ、27のときにサウナの素晴らしさに目覚め、それから約20年「サウナー」として生きている。
最初サウナに出会ったころは、運動など全くしないぐーたらインドア生活を送っていたのだが、30になって運動に目覚めてからサウナのよさが「3倍増し」になったのであった。
クタクタになった後のサウナは何と気持ちいいんだろう!
と。
んなわけで、前座とも言える「旅ラン」を終え、本日のメインディッシュである「サウナ」へと向かったのであった。
向かった先はもちろんここ。
札幌のサウナの聖地「ニコーリフレ」。
ここは男性専用のサウナであり、北海道一の「おっさん天国」と言ってもよいところであろう。
わたしゃ、どんなリゾートホテルよりも、この朝食付き1泊5500円のサウナ付きカプセルホテルに泊まることに、心の底より喜びが溢れてくるのです。
この日をどれだけ楽しみにしていたことか。
別海町パイロットマラソンでPBを出してから、「自分へのご褒美はここに泊まること」と決めていました。
我ながら安っぽくみみっちいご褒美である。
では、ニコーリフレの中に入りましょう。
チェックインを済ませ、上下で1000円ぐらいしかしないんじゃないかという質感の館内着に着替えます。
館内でみんながこれを着ているのを見ていると、なんだか自分が囚人にでもなったかのような気分がする。
さあ、大浴場へ向かいましょう。
なんか今日はいつもに比べ、やたら混んでますね。
館内のポスターを見てみると、なんと今日はゲストに「悠月アイシャさん」がお見えになるとのこと!
で、誰ですかそれ?
ググってみると……。
ああ、そちらの世界の方でしたか。
さすが「男性専用サウナ」にやってくるゲストだけはある。
わたしゃ、昔から芸能界オンチであるが、そちらの世界のセクシー女優に関してはそれなりの知識を持っていたんだがなあ。
最近はそういうセクシー女優にも興味がなくなり、男としてヤバいんじゃないかと思いつつある。
悠月嬢がやってくるということで、やたら熱気を帯びている大浴場であったが、そんなものに興味のない私は淡々と風呂に入り、激しい運動をした後なのでサウナは10分1セットでやめることにして、16度の水風呂でシャキンとして、プラスチック椅子に座り、まどろみながら「ととのい時間」を過ごすのであった。
あー、極楽、極楽。
サウナから上がり、今度は「サ飯」を堪能することにしよう。
ニコーリフレ名物「ダイナマイトロウリュ麺」。
唐辛子と山椒がふんだんに使われた「辛くてしびれるラーメン」である。
サウナで汗をかいたばかりなのに、辛いサ飯で更に汗をかく。
いい。すごくいい。
ラーメンとしての完成度は、正直、専門店に比べるとどうかって気もするが、ここで大事なのは「サウナの聖地」で「サ飯」を食べ、ダラダラ汗を流すということなのである。
辛い!熱い!最高だ!!
ごちそうさまでした。
さて、汗もかいたし、また風呂に行こう。
悠月嬢が帰った後なので、祭りの後の静けさのように、人の波は引いていましたね。
やっと落ち着いて風呂に入ることができるというものだ。
当然風呂に入るということは、「サウナ」「水風呂」「休憩」もセットになるということであり、再び私は至福のひとときを過ごしたのであった。
あー、幸せ幸せ。
おっさんの幸せなど、この程度のささやかなものである。
さて、サウナも満喫したし、カプセルに戻って寝ることにしよう。
時刻はまだ20時半だが、前日深夜バスでほとんど眠れず、更に激しい運動をした後だったので、瞬時に眠ることができた。
カプセルホテルでは、いびきの大合唱で眠れなくなることがよくあるが、こういうものは先手必勝、先に寝たものの勝ちだ。
昔、深夜のカプセルホテルで、いびきの大合唱で全く眠れないことがあったもので、こういうとこではさっさと寝ることにしている私なのであった。
11月13日(日)
5時半起床。
9時間睡眠と、睡眠時間はバッチリである。
まずは朝風呂と行きたいところだが、その前に「朝ラン」に出かけることにしよう。
「朝食バイキング」のために、少しでも腹をすかせておくことが肝要なのである。
さて、走り出しましょう。
6時前だと、釧路では明るいのだが、札幌だとまだ暗いのね。
同じ北海道でも、釧路と札幌では10分以上日の出の時間が違うのであった。
んで、釧路ではすでに木の葉はほぼ散っている状態なのだが、札幌ではちょうどイチョウがいい感じで色づいてますね。
半月ぐらい季節が戻ったような感じでした。
この日の札幌は、朝から14度と気温が高く、上は半袖Tシャツ1枚で十分でしたね。
涼しい向かい風を受けて、豊平川のサイクリングロードを真駒内方面へと向かいます。
昨日登った藻岩山を見ながら、ずんどこと進みます。
真駒内公園から折り返し。
復路は追い風で気持ちよかったですね。
豊平川の河川敷では、ハーフを中心に、年に数回マラソン大会が開催されるが、川下に向かう方は基本「追い風下り坂」であり、毎回「お、今日は調子いいな」と勘違いして、折り返しから苦しむことを繰り返していたのであった。
朝から17kmを走り、無駄に健康的な時間を過ごしてしまった。
さあ、ここから力の限り「朝食バイキング」を楽しむのだ!
私は日頃朝飯は食わないのだが、なぜかホテルの「朝食バイキング」にはテンションが上がる。
今日ぐらいはリミットを外して、栄養のバランスなど考えなく、好きなものを好きなだけ食おうではないか。
あー、ラーメンサラダうめー。
いかさしうめー。
ジンギスカンうめー。
カレーうめー
ソフトクリームうめー。
もう満足です。
何も言うことはありません。
ご立腹です。
(日本語の使い方が根本的に違う)
尚、食堂では朝からビールを頼んで、そのまま酔っ払っていびきをかいて寝ているおっさんもして、いかにこの空間が「おっさん天国」なのであるかをしみじみ感じる。
女性の目のないところでは、おっさんというものはここまでだらしなくなれるのかと。
腹がいっぱいになったら、あとはチェックアウトの時間まで「風呂」「サウナ」「水風呂」「休憩」のローテーションでダラダラ過ごすだけ。
あー、おっさんに生まれてよかったと心の底から思えるひとときであった。
んなわけで、ひたすら好きなことだけをやって、心の洗濯をした2日間なのでありました。
北海道では、またコロナさんが暴れて、移動に制限がかかりそうな勢いですが、できれば年に2〜3回ぐらいは、こういう「自分へのご褒美時間」を本能の赴くままに過ごしたいものですな。
さようなら、ニコーリフレ。
私は「帝国ホテル」や「ホテルオークラ」よりも、ニコーリフレが似合う安上がりな男なのです。
インスタ映えするような、誰もがうらやましがるような休日を過ごすのもいいのですが、そうやって見栄を張るのは疲れるので、自分以外には何が楽しいのかさっぱりわからない「じこまん」の休日が、40過ぎのおっさんにはちょうどいいのではないでしょうか。
知らんけど。
私は普通に観光地を見学して、普通にその土地の名物を食べるような「普通の旅行」ができない男です。
さようなら。