思えば、私が今をときめくNIKEの厚底シューズ「ヴェイパーフライNEXT%」をゲットしたのは2月のはじめであった。
当初は4月に予定されていたフルマラソンの大会「かすみがうらマラソン」で使おうなどと思っていたのであるが、世の中こういった状況でありまして、せっかくのヴェイパー様を使う機会が全くなかったのである。
どうもお高いシューズを普段の練習で使うのはもったいないと感じてしまう貧乏性でのう。
どうせならキロ4分ぐらいのスピード練習で華々しくデビューさせてやりたいなどと思っていたのだが、わたしゃキロ4分なんかでは走れない貧しい脚でありまして。
「キロ4で走れるようになってからヴェイパーを履こう!」と、「泳げるようになってから水泳の練習をしよう!」と考えているのび太くんレベルの思考回路で、ヴェイパー様は約10ヶ月もの間、シューズボックスの奥に眠らせていたのであった。
もう今年はヴェイパー様を使う機会はないなあと思ったところで、降って湧いてきたのが、今月から入会したクラブの「3kmTT」なる企画である。
よし!ここだ!ここでヴェイパー様を華々しくデビューさせようと、マラソンシーズンがすっかり終わってしまった北海道の地で、ようやくスピード練習を再開した、どっかズレている私なのであった。
しばらくキロ4分台で長い距離を走っていない私であったが、ヴェイパー様を履いたらどんくらいの速さで走れるのかあと、「3kmTT」のコソ練をすることにいたしました。
コソ練前に読んだのがこちら
みやすのんき先生が「ヴェイパーフライ」を履いて「フォアフット走法」にチャレンジした過程が書かれている本である。
まずこの本で、ヴェイパーフライを履いたときの走り方を勉強していこうと。
で、本を参考にして、私なりに今回の走りで意識したポイントは以下の4つ
・小指球から母指球の横のアーチを意識する
・踵の接地はハガキ一枚がスッと入る感覚
・膝を前に出すのではなく、腰を前に出す
・足は膝よりも前に出さず、脛を前傾させる
ってところでしょうか。
とにかく「重心真下でフォアフットで着地する」ということを第一に考え、着地さえしっかりすれば、あとはシューズが勝手に仕事してくれるだろうぐらいに、ヴェイパー様を過大評価していました。
陸上競技場サブグラウンドの土のトラックで、まずはヴェイパー様の感触を確かめてみましょう。
足を入れた感じは「前足部のクッションすげー!」ってとこですね。
クッションと言うか「バネ感」という方がピッタリする表現かもしれませんが。
ズームフライ3よりは、ズームフライフライニットに近い感触ですかね。
みやす先生が著書に書かれていた「プリンのように柔らかい踵」の感触はあまり感じませんでした。
終始、踵をピッタリつけないように意識していたってこともあるかもしれませんが。
まず、走る前に歩いてみましょう。
なんか「一本歯下駄」みたいな感じで、グラグラして安定感がないですね。
前足部でバランスを取って、踵部分が全く安定しない感じです。
ズームフライを履いたときでも、ここまでの感触はなく、こんなんで走れるのかしらんと、まずは走動作に入る前に200mぐらい歩いて、「フォアフット歩き」の感触を確かめました。
「フォアフット歩き」の感触を忘れないうちに、走り出しましょう。
まずは土のトラックをキロ5分ぐらいでウォームアップしましょう。
1km到達。
ラップタイムはまさかの4分42秒。
「これ、感覚よりも1割増しぐらいで速いんじゃないか?」と、早くもヴェイパー様の力におったまげる私であった。
どうせなら土のトラックよりも、もっとスピードを出せるアスファルト路面で試してみようと、そのまま運動公園のジョギングコースに入ります。
2km地点のラップは4分30秒と、本気モードのレースペースレベルまで上がっているではありませんか!
つーことで、どこまで行けるのか、3km〜7kmまでは「5kmTTモード」でガチで走ってみることにしました。
「このシューズの性能なら、5km20分切りも夢ではない!」などと思っていましたが、いくらシューズの性能がよくても、元のエンジンがポンコツだと、そこまでトップスピードは上がりませんね。
キロ4分〜4分10秒が手一杯というところでした。
それでもガーミン測定での「最速5キロ」ということで、ヴェイパー様の性能は十分に発揮されたと思います。
ヴェイパー様すげえと思ったのは、むしろスピードを緩めた7km過ぎからで、ちょっと抜いて走っているにも関わらず、そんなにスピードは落ちませんでしたね。
特にラスト1kmは、「えっ、サブスリーペースってこんな楽な感じだったっけ?」と勘違いするぐらい反則的レベルのものを感じました。
うむうむ、さすがに約10ヶ月寝かせておいただけはある。
ヴェイパー様は必ずや、私の更なる記録更新の強力な武器になるであろう。
あわよくば、来週の「3kmTT」は、集団の力を使って12分切りを狙いたいところである。
シューズインプレをまとめると
・前足部のバネ感ハンパねえ
・踵の不安定感もハンパねえ
・みやす先生の著書に書かれているように、恐らく「フォアフット走法」で最大の性能を発揮する
・ひもはめっちゃほどけやすい
てなところでしょうか。
フルマラソンでも、終盤に着地が乱れさえしなければ、十分に戦えると思います。
筋肉の力で蹴って走らずに、地面の反力を得られるスイートスポットに足を置いて走らせるシューズですね。
その「スイートスポット」をいかに見つけるかが、ポイントとなるシューズになるでしょう。
以下の動画に、ヴェイパー様を上手に使うためのヒントが隠されているのかもしれません。
来週の「3kmTT」、雪が積もらないことを祈るのみです。
さようなら。