残り4時間で10周(16km)進めば、ついに100マイル!
こっからは「1周20分ペース」でも、計算上は40分余しで100マイル到達できることになります。
そう思うと、一気に気が抜けました。
早歩きする元気もなくなりました。
普通に淡々と「夏の散歩」を楽しむことにします。
今思えば、これが本当の限界かどうだったかはわかりませんが、多分、ずーっと20時間張り詰めていた神経が緩んで、その結果、手足も動かなくなったんじゃないかって気もします。
ただよろよろ歩いているだけなのに、なんで会う人会う人、自分のことを応援してくれんだろう。
本当にありがたい。
周回ごとにスタッフの方から名前を呼ばれ応援されると、3年前の「北オホーツク100kmマラソン」を思い出しますね。
あの大会も、エイドから100mぐらい離れたところから、スタッフの方が大声で手を振って、自分の名前を呼んで励ましてくださり、暖かいホスピタリティを感じました。
今回の「まちなかトレラン」も、ランナーとスタッフの皆様の一体感を味わうことができ、サポートしてくださるありがたみをひしひしと感じました。
このサポートに報いるためにも、どうしても100マイル進まなければなりません。
どんなに遅くても、どんなにかっこ悪くてもいい。
今できる「一所懸命」を、今できる範囲でやっていこう。
正午になり、エイドでは「お寿司」が出る時間になりましたが、うー、ダメだ。
全く食える気がしない。
あー、もったいないと思いつつ、お寿司はパスします。
寿司などレースが終わってから、自分の金で腹いっぱい食えばよい。
13時に最後「6本目」のレッドブルを飲み干し、最後のエネルギーにします。
24時間の部のランナーは、終盤から「復活」される方もいて、スタスタと小走りで私を抜かしていきます。
夜中から明け方は、明らかに苦しそうで、このままDNFするんじゃないかって様子だった方も、華麗に復活されるのだから、ウルトラマラソンの世界は奥が深い。
もう、この時間帯になると、お互い声をかけ合う気力も残っていませんが、走りを見るだけで気持ちは伝わってきます。
残り3時間、どうにか進み続けよう。
100マイルを何度も走られているゲストランナーの井原さんも、さすがにしんどそうに走っています。
しかしそんな状態でも、私を抜かしていくとき「ナイスラン」と声をかけてくださるのはありがたかったです。
「84歳のレジェンド」月岡さんは、「私はこれで63周、100kmです」と、ものすごく嬉しそうに私に声をかけてくださりました。
まだまだ若者の私が、こんなところでくたばるわけには行きません。
1周ごとに「スポドリ飲む」「ジェルを摂る」「水を取って、半分飲んで、半分は首から背中にかける」という動作をひたすら繰り返します。
1周ごとに、計測スタッフの方に「残り○周」と、カウントダウンの声がかかります。
もう1周20分を超えるペースになりましたが、自分のペースで休まず前に進んでいこう。
ついに残り1周になりました。
後ろから井原さんに「おめでとう」と声をかけられました。
ちょっとジーンと来て、うるっとしそうになりましたが、こんなところで泣くんじゃない。
涙はもっと大事なとこにとっておくのだ。
まあ、結論から言えば、ゴール後は精も根も尽き果てて、涙を流す余裕もなかったわけだがな(笑)。
最後の1周ぐらいは、きちんと走りたかったなあと思いましたが、もういいでしょう。
ここまで一生懸命頑張ってきたんだから、胸を張って堂々と歩いて行こう。
ゴール前のコーナーを回って、最後の直線に入ります。
せめて走っているふりでもすればいいのに、明らかに「この人歩いてるな」とわかる写真ですね。
「23時間25分、100マイル」の長い道のりが終わりました。
今回の挑戦において、多くの皆様の支えがありました。
「釧路マラソンクラブ」の仲間として一緒に挑戦し、共に100マイルを走りきったNさん。
大会に出ないにも関わらず、白糠往復55kmの練習に付き合ってくださった、クラブのTさん、Kさん。
大会中、ハイテンションで声かけをくださった、これまたクラブの中さん。
ハイテンションではなくても、暖かい声かけを下さったクラブの皆様。
リアルでは面識のない私に、勇気を出して声かけを下さった「はてブロランナー」タマ子さん。
岩見沢から応援に駆けつけて下さった、高校の先輩Tさん。
ランナーと共に、夜を徹して運営にあたってくださった、スポーツジム「アクアトピア」「T-spo」スタッフの皆様。
このような素晴らしい大会を企画して下さった「100マイラー」井原さん。
「時間をかけても粘り強く続けることの大切さ」を走りで教えて下さった、84歳現役トレイルランナーの月岡さん。
日頃、Twitterの練習ツイートに「いいね」を下さった皆様。
当ブログにコメントやスターを下さった皆様。
そして、何も足跡は残さなくても、ひっそりとこのブログを読み倒して下さる皆様。
本当に本当にありがとうございました。
才能も根性もない私が、この無謀とも言える「24時間100マイル」を達成できたのは皆様のおかげです。
そして、この拙い文章が、皆様の中に眠っている「挑戦する心」を奮い立たせるきっかけとなれば、これ以上に望むことはありません。
これからも一緒にワクワクするような挑戦を続けていこう!
(次回、反省会につづく)