んなわけで、休みの日にも関わらず、2時起きからの1時間半ドライブしたあげく、4時40分から登山を開始した私です。
一応、トレランスタイルで来ているので走り出しましょう。
えっほえっほと。
しかし、200mも走らないうちに、いきなりの「木の根攻撃」がやってきたのであった。
うむ、これはとてもじゃないが走れない。
走れないところは歩いて行こうではないか。
走れるところは走ろうなどと、最初は甘っちょろいことを考えていましたが、どこまでも続く「木の根+急勾配」で、走る気力は完全に失せ、登り区間の9割5分ぐらいは、ただのウォーカーとなっていました。
まあ、体力はあるが登山技術はゼロの私なので、そこは仕方がない。
まずは怪我をしないことを最優先に、早歩きでスタスタ進もうではないか。
あっけなく1合目到達。
ここまで所要時間8分。
なんだ、もう全体の1/10か。
このペースだと1時間半ぐらいで山頂まで行けるんじゃないか。
ガーミンで走行ログを取っていたのだが、オートポーズ機能を入れると、登山ぐらいの歩くスピードでは「止まっているもの」と認識され、ちっともログを取ってくれないのね。
2合目で一旦ガーミンを止めて、オートポーズを外してから、再びログを取ることにします。
登山するときは、ガーミンのオートポーズは最初からオフにした方がいいな。
木の根攻撃は3合目ぐらいのところで終わったが、今度は「岩攻撃」に出会い、まるで走れない状況が続きます。
勾配はめっちゃ急だし、歩いているだけで心拍は150ぐらいと、バクバクしていますね。
登る前は「迷子になったらどうしよう」と、ちょっと恐れていましたが、写真のようにコース上の岩に黄色いマーカーが塗られているので、これを目印にすればほぼ迷うことはないでしょう。
最初にマーカーをつけて下さった人に300回ぐらいお礼を言いながら、ずんどこ進んでいきます。
4合目で森林限界が終わり、視界が開けてきましたね。
先行していた登山者が休憩していたので、「おはようございます」と挨拶します。
私はただただ登ることに必死で、はっきり言って周りの風景など見ちゃいなかったのですが、休憩されていた登山者に「いい天気ですね。雲海がきれいですね。大雪の山まではっきり見えますよ」と言われ、「え、どれどれ」とようやく周りの景色を見渡したのでありました。
うぉぉぉぉぉぉ!
なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!(松田優作風に)
これが雲海か!雲海なのか。
わざわざ2時に起きて、ここまで来た甲斐があったよ。
この時点で、すでに感動のボルテージは頂点に達し、「もう帰ってもいいか」ぐらいに不覚にも思ってしまったのであるが、まだ道のりは半分以上ありますので、とっとと先に進みましょう。
山頂の方も見えてきましたね。
あとどんくらい登ればてっぺんにたどり着くのでしょうか。
森林限界が過ぎても、相変わらず道は岩だらけで走れるような道ではないですね。
まあ、競走しているわけでもないし、ゆっくり進んで行きましょう。
5合目到達。
ふー、やっと半分まで来たか。
ここまでの経過時間は40分と順調。
25年前、初めての登山で、アポイ岳(標高810m)に登ったときは、5合目までで何回も休憩を取りながらヒーヒー言っていたような記憶があるが、あのときよりも体力がついて、5合目でもまだまだ余裕があるな。
ランニングの力は登山にも役立ちますな。
ただ、ここで暑くてやってられんくなってきたので、上着を脱いで腰に巻きます。
まあ、寒くてガタガタ震えるよりは500倍マシだろう。
5合目を過ぎても、岩をよじ登らなければならないような急勾配が続きますね。
写真を撮る余裕もなく、8合目までひぃこら進んでいきます。
8合目到達。
経過時間は1時間。
8合目から見える雲海もすんばらしくよいですなあ。
ビバ、道東!ビバ、雌阿寒!
雌阿寒岳は活火山ですが、9合目で、火口が見えるようになりましたな。
おお、これぞ自然の神秘!
これは「日本のグランドキャニオン」と言ってもいいぐらいではないだろうか。
道東に6年以上も住んでいて、こんなすんばらしいものを見逃してきたとは、今まで私は何をやっていたんだと、軽い後悔を覚えるぐらい、雌阿寒の見せる姿にただただ圧倒されていた私でした。
山頂が近づいてきました。
ここまで、それなりに体力を消耗したので、全速力は無理ですが、最後はジョギングペースで走って山頂に突撃しますよ!
6時、ついに山頂到達!
阿寒湖がバッチリ見えて最高です!
約1時間20分と時間は短いながらも、濃密な時間を過ごさせていただきました。
ああ、いい。
なんか、いい。
すごく、いい!
何がどういいのかは説明はできないが、とにかく何もかもが素晴らしく、文句のつけようのない土曜の朝を愉しんだのでありました。
(つづく)