さてさて、西別岳〜摩周岳と縦走し、あとは来た道をそのまま戻る作業が待っていたのでした。
最初の急な下りは、一歩一歩転ばないようにおっかなびっくり降りて行きましたが、急勾配ポイントを過ぎると、一気に走りやすいトレイルとなり、このまま西別岳まで突っ走って行きましょう。
帰り道は行き以上にアブが気になりましたね。
常にタイツにアブがまとわりついてきて、それを振り払いながらひぃこら走ります。
スピード落とすと余計にアブが寄ってくるんで、結構必死でした。
途中、反対方向から、西別岳登山口で見かけた方と出会い、「もう摩周岳まで行って戻ってきたの?速いねえ」となど言われ、ちょっと調子に乗り始めた私です。
一気に西別岳の山頂まで駆け上がりましょう。
摩周岳から45分ぐらいで、再び西別岳山頂到達。
雲海が晴れて、道東の広大な緑の大地が広がります。
行きに来たときとはまた違った眺めが見られ、「一粒で二度美味しい」って感じでしたね。
アブがうっとうしいんで、ほとんど休むことなく、おやつの塩羊羹を食べながら下山することにします。
さようなら、西別岳。
アブがいない季節になったら、またじっくり堪能するよ。
アブうぜえと思いながら、もう一回リスケ山に行くことにしましょう。
西別岳山頂から15分ぐらいで、リスケ山山頂到達。
往路では雲海に隠れて見えなかった摩周湖がバッチグーで見えましたね。
家に帰ってから調べたら、リスケ山から更に北西別岳に行ける道があったようですが、まあ、それはまた今度の機会にしよう。
さようなら、リスケ山。
不自然なパノラマ写真だが、安スマホと私の腕では、こんなところが限界だ。
さて、残りはひたすら下りです。
走れる感じるの下りなので、一気にバヒュンと行っちゃいましょう。
目の前の根釧台地に吸い込まれるように、どりゃー!と下っているときに悲劇は起きました。
いきなり足がもつれて、バランスを崩し、前方に体が投げ出されます。
あ、転ぶ!と思ったときはもう手遅れでした。
どすんと膝をつき、下りの勢いでそのまま制御不能になった状態で、ころころと転がり、木にゴツンと頭をぶつけてしまいました。
幸い、大したことのない衝撃で、事なきを得ましたが、「これが岩場だったら」とか「帽子をかぶっていなくて当たりどころが悪かったら」とか考えると、ガクガクブルブルものです。
下りでは上り以上に、自分の力量を超える行動をしてはいけないということを、身を持って経験しました。
というわけで、慎重になった私は、「がまん坂」の急勾配をゆっくりと下りました。
で、勾配が緩やかになったところで、また気持ちまで緩んでしまいました。
このくらいの下りなら走っても大丈夫ってところで、また転倒。
今度は頭を打つようなことはありませんでしたが、転倒の衝撃で右ふくらはぎが攣り、しばしその場で悶絶しておりました。
あまりの痛さに肉離れが再発したんじゃないかとすら思ったぐらいです。
人間、二回は痛い目に遭わないと、危険な行為を理解しないものなのですな。
致命的な傷にならない程度に山の怖さを教えてくれた「山の神様」に感謝します。
さすがに「二度あることは三度ある」ということにならず、今度こそは本当に慎重に下山。
アブにまとわれながらも、無事西別岳の登山口に戻ってくることができました。
登山口は早朝に来たときよりもアブがすごいことになっていて、ホラー映画を見ているかのようでした。
もう全身にアブがまとわりついているので、アブを入れないように車に乗るだけで一苦労でしたわ。
車もアブに囲まれていて、虫除けスプレーを車にかけまくっていた登山客もいましたね。
完全にアブを舐めていた今回の山行でありました。
夏山は暑さ対策よりも虫対策が重要だな。
半袖Tシャツで露出していた腕に刺されまくったのはもちろんのこと、タイツの上からもズブズブ刺され、「長袖長ズボン」でしっかり防御せなあかんわと。
帰り道にドラッグストアでかゆみ止めの薬を買ったが、そんなものは焼け石に水で、この日はかゆさのあまり、ほぼ一睡もすることができませんでした。
数えてはいませんが、20ヶ所以上は刺されたと思います。
楽しいには楽しい山行でありましたが、3日ぐらいはかゆさでトホホとなっていた私でありました。
まあ、でも、後にあって振り返ると、こういう失敗も含めて楽しいものなのだよ。
知らんけど。
《西別岳〜摩周岳まとめ》
・雌阿寒岳よりも走りやすく(特に西別岳〜摩周岳のトレイル)、トレラン向きの山だと思います。トレラン練習に西別岳3往復とかするのも、トレーニングとしてはいいかも。
・7月下旬〜8月はアブがすごいので、対策をしっかりするか、この時期を避けるのが吉。
・走りやすい路面ではあるが、下りであんまり調子に乗らないようにしよう。
・難易度の割には景観はよく、登山初心者にはおすすめできます。
社会情勢的に不要不急の外出が云々言われていますが、今月も状況がひどくならなければ一回ぐらいは、あんまり危険じゃない山遊びをしたいと思います。
さようなら。