11月になりました。
本日、稚内では初雪が観測され、徐々に冬将軍の足音が迫ってきています。
山間部では、大雪山のふもと層雲峡で雪景色となり、北海道の夏山シーズンもそろそろ「完全終了」を迎えますな。
ただ、私の住んでいる道東の太平洋側は、北海道でも「少雪地帯」で、1000m以下の低い山ならまだ冠雪しておらず、今ならまだトレランスタイルでの山登りも可能です。
ということで、手遅れにならないうちに、今年の「登り納め」として、西別岳(標高799m)〜摩周岳(同857m)へと行ってまいりました。
まずは西別岳の登山口へと車を走らせましょう。
気温は7時の段階で1度と低かったですが、天気はよかったですな。
この日は朝の早い時間しか晴れない予報だったので、さっさと登って、一番いいコンディションでの絶景を拝みましょう。
釧路から約1時間半で登山口到着。
去年の夏に行ったときは、アブの襲撃にやられましたが、この時期になると虫がいなくてよいですな。
休日の割には空いているし、ある意味、今がベストの登山シーズンなのかもしれない。
多分、そんなことを考える私は、少数派なのであろうが。
服装は
・上:アンダーアーマーコールドギア+半袖Tシャツ+モンベルクロスランナージャケット
動いている間は、これで寒くなかったですな。
ただ、止まると寒いんで、ほとんど休憩を取ることなく、ひたすら動き続けていました。
トレランスタイルならいいが、ゆっくりトレッキングだと、もっとしっかりした防寒装備が必要ですな。
低山と言えども、北海道の11月の山を舐めてはいけない。
西別岳は、のっけから急斜面直登の「がまん坂」が待ち構えています。
ウォーミングアップもできていないのに、一気に心拍数が上がってきますな。
ただ「がまん坂」が終われば、そんなに急斜面はなく、35分ぐらいでリスケ山到着。
こっからでも摩周湖が青々と見えますな。
うむ、よい太陽だ。
悪い太陽ってのがあるのは知らんが。
眠い目をこすって、わざわざ朝早くに来た甲斐があったというものよ。
リスケ山からは歩きやすい稜線をずんどこ進んで、スタートから50分ぐらいで西別岳山頂到着。
せっかく山頂まで来たんだから、ちょっとゆっくりしていたかったが、さっきも書いたように止まると寒くてやってられんので、写真だけテキトーにパシャパシャ撮って、次なる目的地「摩周岳」へと向かいます。
西別岳から摩周岳への道のりは「走れるトレイル」のところが多く、防寒の意味も込めてスタコラサッサと小走りで進みます。
摩周岳まで残り400m。
しかし、この400mがめっちゃキツイんだよな。
というか、これ絶対に400m以上あるだろう。
「あー、もうすぐだ」と思わせておいて、登山者を絶望のどん底に突き落とす。
私は密かにこの看板を「400m詐欺」と呼んでいる。
写真を撮る余裕もないぐらいの急斜面の岩場を登り、スタートから1時間45分ぐらいで山頂到達。
山頂の標識がなく、切り株に手書きで書かれている簡素な「山頂の証」です。
見事な「摩周ブルー」の湖面ですな。
「400m詐欺」を乗り越える価値はありました。
さて、やっぱりここも寒いんで、給水して、おやつに持ってきたチョコレートを食べて、とっとと下山しましょう。
「がまん坂」の下りは非常に怖く、「これ足で下るより、米袋を尻に敷いて滑った方が早いんじゃ?」と思ったが、今回は転倒することなく無事に下山。
私が低山トレイル遊びをするのは月に一度程度であるが、それでもわずかながら「山スキル」は上がっているのかもしれん。
知らんけど。
当初は、「摩周湖第一展望台」にも寄ろうかなあと思ったが、それをやると余分に11kmぐらい走ったり歩いたりする必要があるので、最短距離で「西別岳〜摩周岳」を往復して終わりにしました。
もう寒いし、こんくらいでいいだろう。
数ヶ月前のまだトレランに対する情熱のあったときだったら、「もう11kmぐらい大したことない」と思っていただろうが、うっかり先月フルマラソンでPBを達成してしまったため、今の私のランニングに対する情熱は「ロード>>>トレイル」になっています。
一応「トレランスタイル」で臨んだつもりですが、ガーミンデータは正直です。
全行程の2/3ぐらいは歩いていた「なんちゃってトレラン」で、今年の山活を締めくくる形になりました。
一時期は「これからはトレランだ!山岳100マイルを目指すぞ!」と、トレッドミルの傾斜を12%に上げて頑張っていた時期もありますが、今の私の頭の中は80%ぐらいが「来年3月の板橋」に支配されているので、すっかり「山の足を作ろう」という気力が失せてきていますね。
まあ、趣味でやっていることなので、今そのとき興味のあることをそれなりにやっていけばよろしいのではないでしょうか。
きっとこれから一冬越えて、板橋が終われば、トレランの方に気持ちが向かっていくことでしょう。
多分。
にしても、晩秋の登山は草木もいい感じに枯れて、わびさびがあっていいですな。
人も少なく、「半額惣菜が売り切れて閑散とした、スーパーの閉店間際」のような趣があります(脳内BGM「蛍の光」)。
もっとマシな例えはないのか。
そういや、下山してから北朝鮮のミサイルのニュースを知ったわけだが、携帯が圏外の山の中だとJアラートも鳴らないのだな。
もしかしては、私は何も知らずに人知れず、山の中でミサイルに撃たれて死ぬのかもしれないが、それはそれでひょっとしたら幸せな最期かもしれない。
何事も知り過ぎるよりは、全く知らない方が幸せなこともある。
さようなら。