観楓会。
恐らく北海道以外の方にとっては馴染みのない言葉であろう。
読み方は「かんぷうかい」。
まあ、要するに秋の時期に紅葉を見て、温泉に行って、酒飲んで、プハーッとする会である。
道外の方だと「慰安旅行」という言葉の方がしっくり来るのかもしれない。
私の昔勤めていた会社では、毎年課をあげて盛大にやっていたのだが、今はもう社員旅行というご時世ではないのだろう。
2000年代半ばに転職してから15年ぐらい、勤め先で「観楓会」という言葉は一切聞かれなくなった。
今思えば観楓会って、それなりに楽しかったなあ。
こういう北海道を代表するような行事は、会社とかの集団ではなく、ひとりでひっそりやっても面白いのではないだろうか。
ということで、今回は屈斜路湖畔を「ひとりフルマラソン」した後、「GO TO トラベル」を利用して、ちょっとお高い阿寒湖温泉のホテルに宿泊したのでありました。
人生初の阿寒湖温泉宿泊である。
ホテルの部屋からは湖も見えて気分が上がる。
ただ肝心の温泉は露天風呂がなかったり、サウナがあるのに水風呂がなかったりでショボく、なんだかなあであった。
ただ、同系列のデラックスなホテルの風呂も使えるということで、無料のシャトルバスに乗ってぶおーんと行ったのであったが、確かに阿寒湖温泉を代表するホテルだけあって、泊まったとこより8ランクぐらいは立派な風呂で、「もうちょい頑張って、お高くてもこっちのホテルに泊まればよかった」と、ちょっと後悔した。
好きな言葉は「バイキング」。
私は普段、質素な食生活を送っているもので、ここぞとばかりに好きなものを好きなだけどかどか食います。
わたしゃ酒は飲めないんで、飲めない分食いまくらないと損だ。
そんなわけで、せっかく午前中に屈斜路湖畔で「ひとりフルマラソン」をやったにも関わらず、太って帰ってくる羽目になりました。
いくら運動したところで「食えば太る」わけで、ダイエットの効果は「食事8割運動2割」ぐらいなんじゃないかなあと思ったりします。
さすがに食いすぎたなあと、一眠りした翌朝、「旅ラン」として10kmぐらいダラダラ走ることにしました。
私のようなおっさん世代は、筋肉痛が遅れてやってくるので、激しい運動後の翌日でも全然大丈夫です(そして、2日後に筋肉痛のピークが来る)。
せっかくだから、紅葉のビュースポット「滝見橋」に行こうと、温泉から5kmぐらい、のったのたと走ります。
地味にアップダウンが多くて、嫌らしい道でしたね。
途中「熊出没注意」の看板もあって、国道沿いではあったが、実は走るのには危険な道だったのかもしれない。
うむ、なかなかよいではないか。
わざわざ早起きして、ここまで走ってきてよかったよ。
早起きは三文の得である。
一応「観楓会」という名目なのだから、ちょっとぐらいは紅葉も見ておかないとな。
でもって、阿寒湖畔にある「阿寒エコミュージアムセンター」なるところに、遊歩道があったので、そこもついでなのでテクテク走ります。
散歩の人や走っている人がそこそこいて、健康的な空間でしたね。
「ボッケ」という、泥がぐつぐつ煮え立っているところ。
「ボッケ」についての詳しいことは、私なんかに聞かないで、インターネットで調べた方が早く正確でわかりやすいと思います。
会社で観楓会に参加していたころは、ほぼ徹夜マージャンの記憶しかなく、朝はチェックアウト寸前までひたすら寝ていたのだが、朝の温泉街の世界はこんなに素晴らしいものだったのかと、ちょっと贅沢な旅でハイになっていることもあり、たいそう感動した私なのであった。
温泉街の朝は寝て過ごすにはもったいない。
「まりも通り」はいいとして「まりもラーメン」や「まりものごはん」は、あんまり食べたくない。
冒険心のある若い頃だったら、話のネタとして食べていたかもしれんが、年を取るということはこういう「観光地の遊び心」を受け付けなくなることなのかもしれない。
んなわけで、キロ6分半ペースでまったりと過ごした日曜の朝のひとときでありました。
次は日本百名山のひとつである「雌阿寒岳登山」で、阿寒湖温泉を訪れたいものですな。
阿寒湖は釧路からは近いところでありますが、十分非日常感を味わうことができ、月に一度ぐらいは泊まりの小旅行を入れて、日頃の閉塞感を突き破るのもよいものです。
来月、もう一回「ひとり観楓会」やりたいなあ。
さようなら。