図書館から借りた本を、正月休みを利用して読んでみました。
そんな厚い本じゃないから、サクッと読めるかと思ったが、翻訳本独特の冗長な文章で、正直読むのが苦痛でありました。
内容自体は面白いんだが、結論に至るまでの過程がまどろっこしすぎるのよね。
この本の目的を簡単にまとめると
「人類学的に、ヒトの最適な運動量や運動頻度はどの程度なのか?」
ということです。
まあ、結論だけをまとめると、身もふたもないことになるのだが、そこに至るまでの過程はまどろっこしいながらも、興味深いものがありました。
んで、個人的は「おお、これは」と思ったところが2点。
「抗酸化剤を投与された人は体内で生成される抗酸化剤の量が少なかったため、より多くの酸化ダメージを受けていた」
我々中高年が、マラソンのような激しい有酸素運動をするとき問題になるのが、「体内の活性酸素」の増加。
詳しいことは詳しい人に説明してもらうとして、簡単に結論だけを言うと、この活性酸素が悪さをして、老化現象を進ませる諸悪の根源となるのである。
んなわけで、「活性酸素」に対抗するために、「抗酸化物質を取り入れる」ということが一般的には推奨されている。
トレイルランナーの鏑木毅氏が、抗酸化物質として「アスタキサンチン」を取り入れているということで、私も真似をしていたのであったが、本当に効果があるのかどうかはわからんということなのだろうなあ(実際、私に関しては、効果はよくわかっていない)。
尚、筆者は「分子生物学」を唱えるポーリング博士に対して、ケチョンケチョンな評価を下しております。
「『代謝性代償』で、非常に活動的な人の一日のカロリー消費量と、そうでない人のカロリー消費量はほぼ変わらない」
要するに日頃動いている人は、身体が「動いている状態」に適応してしまい、余計なことにカロリーを消費せず、安静時の代謝率が減少するということである。
私の場合だと、「週100㎞」ぐらい走っていた状態に身体が慣れてしまったので、その半分ぐらいの運動量の今では、そんなに食っていないにも関わらず、太りやすくなったということだろうか。
実際、自転車事故前に比べると、体重にして2㎏ほど、体脂肪率にして3%ぐらいの増加が見られている。
味覚障害で、ジャンクフードがほぼ食えなくなったのにも関わらずだ。
今の生活を続けていれば、今の生活なりに安静時代謝率が戻るのかどうかは、本書に書かれていなく不明。
このことについては、以下の本にも詳しく書かれているようだ。
私はまだ読んだことがないが。
まあ、「代謝性代償」は、あくまで仮説であって、どこまで真実なのかようわからんがな。
この本の結論だけをまとめると、本文なんかを読むよりは、訳者のあとがきを先に読んだ方が手っ取り早いですな。
「運動は必要かつ楽しめるものにしよう」
「有酸素運動を中心に、多少のウェイトトレーニングも行おう」
「運動は、しないよりしたほうがいい」
「年齢を重ねても続けよう」
と、一般的に「常識」と思われているものである。
まあ、健康については生活習慣もさることながら、「遺伝子ガチャ」の要因が強いので、何が一番健康にいいかということは一概に言えないが、確率的に運動の健康に対する効果は大きいような気がしますので、楽しめる範囲で自発的に行うのがよろしいのではないでしょうか。
私はこの本を読んで、久々にケトルベルを引っ張り出しました。
筋トレもちょこっとはやっていこう。
さようなら。