昨日のブログに貼り付けた、一山麻緒選手の動画。
一山麻緒選手はそのストライドが注目されがちですが、30kmまで重心を一歩一歩トントンと落としていくだけの(本人言うところの)ジョグ感覚の走りが、残り12kmのスタミナ温存とスパートに繋がったと思います。超厚底アルファフライの恩恵もあったと思いますが、市民ランナーにもとても参考になる走り! pic.twitter.com/sUf8ICOthj
— みやすのんき@RUN垢 (@MiyasuNonki) 2020年3月9日
ついでなんで、今日はこいつについて、もうちょい考察を入れたいと思います。
私がこの動画を見て、「ここ重要なんじゃないかな?」と思ったことを3点にまとめます。
《ポイント1 着地時に十分に膝が曲がっている》
着地時に膝を十分に曲げて、地面を押しているように見えます。
でもって、脛が前傾していることにも注目です。
「着地時は膝を伸ばす」と書かれている指導書もありますが、膝が伸びていると地面からの反力を十分にもらえません。
このことは、スキーで、脛が後傾して、膝が伸び切っていると雪面にスキーの板を押すことができず、全く曲がることができないのと同じ理屈だと思います。
スキーは下手っぴで、もう10年以上やっていない私がこんなことを語るのもおこがましいですが、スキーの体重移動はランニングにも通じるものがあると思います。
《ポイント2 後ろ脚がピーンと伸びていない》
後ろ足で蹴って、ピーンと脚を伸ばすと、ストライドが伸びるように感じますが、脚が後ろに流れてピッチの上がらない間延びした走りになると思います。
写真で見ると、後ろに勢い良く足を蹴って、ついでの前の脚もグイーンと開いて力強い走りをしているように見えるかもしれませんが、このときはすでに後ろ脚は前に戻ろうとしていて、前脚も前に伸ばすのではなく、すばやく地面に足をつけようという動きに入って、むしろ脚を閉じようとしているのです。
「脚は後ろに流さずに、素早く前に出す」ことが、ポイントだと思います。
《ポイント3 足首の角度は90度をキープ》
これも「蹴らない走り」につながるポイントだと思います。
つま先で蹴って、足首の角度が脛に対してまっすぐに近くなると、足首やふくらはぎに負荷がかかります。
私見ですが、フルマラソンで後半ふくらはぎの攣りに悩まされる方は、後ろ脚で「蹴る」走り方をしているのも原因であると思います(現に私がそうだった)。
足首の角度は、ほぼ直角のまま固定させていきましょう。
とまあ、一山選手を例に、これがポイントなんじゃないかなあということをまとめていきましたが、恐らく一山選手じゃなくても、実業団クラスの方ならみんなこんな走り方をしていると思いますので、好きな選手の走りをYouTubeでスロー再生したりして見ながら、みやすのんき先生の「フォームの基本」を片手に、「おー、本で言っているのはこういうことだったのか」と納得して、ご自分の走りに活かしていくのがよろしいのではないでしょうか。
さようなら。