猫も杓子も「フォアフット」である。
やはり東京オリンピックのキプチョゲや大迫傑のインパクトが強いのだろう。
「前足部」で着地する「フォアフット走法」が脚光を浴び続けている。
流行りものには疎い私でも、みやすのんき大先生の以下の本に影響されて、フォアフット走法の習得を目指しているのである。
確かにNIKEの厚底シューズを履いて、フォアフット気味の着地を意識すると、今まで1mぐらいしかなかったストライドが1.2m近くまで伸び、フルマラソンのタイムも少しだけではあるが向上してきた。
これはこのまま「フォアフット道」を貫き、さらなるフルマラソンのタイム向上を目指そうと思っていた私であったが…。
ここでふっと沸いてきたように、フルマラソンとは全く関係のない「24時間走」への挑戦という、予期せぬ事態に巻き込まれてしまった。
いや、誰にも巻き込まれたわけではなく、自分で勝手に挑戦すると決めただけなのだが。
フォアフットが決まったとき、スパーンと切れるような走りになるのは確かに魅力的である。
しかし、それはあくまで「3〜4時間で決着がつく」フルマラソンぐらいの距離なら有効であり、それを超える距離になって、時間も6時間7時間と過ぎていくと、疲れからか、どうしても姿勢が不安定になってきてフォアフットどころではなくなってしまう。
ここで私は「ウルトラマラソンで、フォアフットでは戦えないのではないだろうか?」という仮説を立てたのである。
で、以前読んだ本を久々に読み直してみた。
この本では、みやす先生の本とは異なり「かかと着地」すなわち「ヒールストライク」を推奨している。
あの宮本武蔵が五輪書で「きびす(かかと)を踏むべし」と言っていたではないか、と力説されると、「やっぱ日本人たるもの、かかとから着地すべきなのかなあ」と、ついついその気になってしまう付和雷同な私なのであった。
ちなみにみやす先生は、「小指球から接地して、拇指球にぐりんと回転させるのが正しい挙動である」と述べられています。
片足脱げたケニア人選手の映像。コレが本来の裸足の着地。小指球接地から踵が内側に入り込み、着地後も拇指球ぐりんと半回転。ワラーチや足袋などの裸足系はソール素材の薄さやアッパーの弱さ、擦れから、ただ足裏を水平にペタペタ着地する意識になりがち。この正しい挙動に言及した指導を見た事ない。 pic.twitter.com/OdkkWK3NaQ
— みやすのんき@RUN垢 (@MiyasuNonki) 2018年10月6日
一方、水口慶高さんの本では、「かかとの外側から接地して、そっから足を転がすように拇指球側に重心を移動させよ」と述べています。
図示すると、こんな感じでしょうか。
で、ヒールストライクの「かかとから転がすように前に荷重をかける」で思い出したのが
競歩の歩き方
なのです。
この競歩のような「かかとから着地」し、「骨盤から乗り込むように足裏の荷重を移動」させた「上下動の少ない動き」が、24時間動き続けるためのカギなのではないかと、突発的にひらめいたわけです。
上の動画のように時速8km(キロ7分30秒)で歩き続けることができれば、計算上は20時間で100マイルを走れるわけで、「競歩の延長上の走りをすれば、長時間動き続けられるのではないか!」と。
そんでもって、本には書いてませんでしたが、こういう「足裏を転がす」ような走りをするためには、「ロッカー機構」のあるHOKAやASICSのグライドライドのようなシューズがいいのではないかと思い、手持ちのシューズHOKAのMACH4で「ヒールストライク走法」を試してみたわけです。
とりあえず21km走ってみました。
ちょっとペースは安定してないですが、平均するとだいたい「キロ6分20秒」、でもって平均心拍数が127と「マフェトン心拍数(「180−年齢」の心拍数。詳しいことについては以下の記事を見てちょ)」の範囲内に抑えられてよかったのではないでしょうか。
故障明けの脚にも特にダメージはなく、これなら5〜6時間は動き続けられそうかなと。
月末あたりに「6時間走」をやってみて、今までの走り方と比べて、どれくらいのダメージがあるのか、果たして本番で使えそうな走り方なのか、もう一度チェックしたいと思います。
さようなら。