2023年に読んできた本の中で、なんとなくこれがよかったんじゃないかという本を紹介していきます。
まず1冊目がこれ。
武術に関する本でしたが、ランニングなどスポーツ全般に共通する「上達するコツ」が書かれている本なのではないかと思います。
私が思うに、努力の割には成果が出ない人と言うのは、この本に書かれてることが欠けているのではないかと。
自分の持っている「癖」、すなわち「手慣れた動き」を排除することによって、一時的にパフォーマンスは落ちると思いますが、逆にその「癖」が(身体的にせよ精神的にせよ)、長い目で見ると上達の「壁」になっているのではないかと思います。
根本的な原理組み替えの三原則として「低負荷・低速・単純」の3つを方条氏は挙げていますが、なまじ実績のある「プライドの高い」人は、「自分の過去の実績」にとらわれて、それができないんだろうなあと。
ランニングで言えば、明らかにパフォーマンスが落ちているのに、力を入れた「ポイント練習を繰り返す」ようなものでしょうか。
パフォーマンスの低下時こそ、原点に返って「動きづくり」から見直すのが「急がば回れ」なのではないかと私は思います。
まあ、ぶっ倒れてロクな練習ができていない今の私に、こんなこと言う資格はないのだが。
2冊目はこれ。
非常に失礼ながら、お笑いタレントとしての若林正恭は「全く面白くない」と思っているのだが、エッセイストとしての若林正恭は「天才」としか思えない。
若いころから、私も若林氏のように「生きずらさ」を抱えながら生きてきたわけだが、その正体が「他人への否定的な視線」ということに、ハッと気づかされるものがあった。
私は子供のころから、派手にいじめられるようなことはなかったが、学校の中の「スクールカースト」は、ずっと下位の方であった。
そのせいか、他人に対するひがみの気持ちが強く、「心の中で他人をバカにする」という「価値下げ」によって、自己肯定を保っていたところがあった。
結局、こういう「他人への否定的な視線」は、時間差で自分に返ってきて、楽しみを奪う結果になるのだけどな。
要は、他人を否定することによって、「自分が他人から否定されることを恐れる」という負のスパイラルができあがるのである。
こういう「他者否定」を跳ね返すために必要なのは、「自分の楽しみ」に「人の目を気にせず」に「没頭」するしかないのだよな。
ついつい、特に同趣味の人に対しては「他者否定」をやってしまいがちだが、それ以上に「自分の興味に没頭」することが、生きることを楽しめるコツなのかなあと、50になってようやく気づいた私なのでありました。
いや、ホント、他人をディスることに情熱使うぐらいなら、自分が楽しむことに人生かけた方が楽しいと思うで。
あと、2023年を問わず、毎年のように読んでいる本なのだが、ついつい昨日図書館から借りてしまった本がこれ。
普通、自転車旅行と言えば、「何人かの集団」で「観光地を回り」、「おいしいグルメを愉しむ」というイメージがあるが、この本にはそういう場面は一切出てこない。
それでもエンターテイメントとして成立するところが、「ソロ自転車旅」の面白さであると思う。
自転車版「孤独のグルメ」と言った感じだろうか。
むしろ、自転車人よりは、「ローカル線を使った一人旅が好き」って人の琴線に突き刺さるような気がする。
何がいいというわけではないのだが、なんとなく好きな本なんだよな。
好きなんだけど、「買うまでもないな」と、読みたいときに図書館から借りる程度ぐらいなのであるが、年に一回は無性に読みたくなる麻薬のような本。
先月の自転車事故により、来年は「フルマラソンで記録挑戦」とか「ウルトラマラソン完走」というのはちょっと現実的でないので、本に出てくるような「寂旅」で、「誰もが行ける」けど「誰もしない」ような自転車旅行をしようかなあなどと密かにたくらんでおります。
さようなら。