気温30度を超える中、肝心の経口補水パウダーの半分以上を、ランパンのポケットからポロリしてしまうという失態を演じながらも、どうにか第2エイドまで3時間ぐらいかけて到達した私です。
第2エイドを過ぎてからは1kmほどロード区間がありました。
やっぱりアスファルト路面の方がスピードを出して走りやすいですね。
足元を気にせずに、何も考えないで走れるのがありがたい。
暑さによるダメージはありますが、ロード区間はキロ6分を切るペースで走れているので、まだ脚は余裕がありますね。
このまま平らなロードが続いてくれれば楽なのですが、また山の中のトレイルに入っていきましょう。
ハイ、激坂くんこんにちは。
またまたウォーキング区間に入ります。
それでも走行ログを見ると、キロ10分ぐらいのペースで歩けているのですから上出来なのではないでしょうか。
坂が終わった後、ちょっと平らになったり下りになったりしてきましたが、ちょっと走るとすぐ心拍が160以上に上がっちゃいますね。
この日の作戦は、心拍を160以下に抑えて体力を温存する「いのちだいじに」なので、心臓がドキドキし始めたら、ためらいなく歩きます。
で、うりゃーっと下っていって、33kmぐらいでエイド。
この辺りになりますと、私も含め、皆さん疲労困憊と言ったところですね。
そんな中、人数は少ないですが、エイドスタッフの方々の温かいおもてなしに「よーし、もうちょい頑張るか!」と生きる希望がわいてきます。
水を満タンにして、レースに復帰しましょう。
さてさて、コースはエイドから来た道を折り返す形になっています。
と言うことは、さっき下っていった道を、また登り返さなきゃならないわけですね。
なんという拷問!!!!!
映画の中に出てきた刑務所の労働で、「大きな穴を掘ってただ埋める」という作業を繰り返しているうちに精神がおかしくなったという話があるが、一旦下った坂をまた登るってのは、それに近いものがありますな。
コース作成者はよほどのサディストに違いない。
あー、しんど。
で、私も精神がおかしくなっていったのか、さっきの道を折り返しているはずなのに、やたら深い藪があったり、どうも様子がおかしい。
さっきこんな藪の中進んだっけ?
コース上の枝にはピンクのリボンがつけられていて、「ここがコースだよ」ってのを示してくれるのだが、ずんどこ先に行ってもリボンはさっぱり見当たらない。
こ、こ、これはもしかして……。
ミスコースやらかした??
そういや、500mぐらい手前にあった小川を渡るところで、もうひとつ道があったような気が……。
とりあえず戻るべし!戻るべし!
と、300mぐらい戻ったら、ランナーさんに遭遇。
「コース間違えたような気がするんですが、ここで当ってますかね?」
すると、力強く。
「ここで間違いないはずですよ」
と答えてきたので、ああ、よかったと安心しつつ、二人でまた奥の方へとずんどこ進みます。
そんで、藪が深くなっているところを通過していくと……。
「いや、やっぱりこんな藪はなかったですね。戻りましょう!」
と、再び方針変更。
来た道を二人で戻ります。
で、分岐点の小川のところまで戻ると、別のランナーさんが、道案内をしているではありませんか!
「ここ、間違えやすいですけど、こっちですよ」と、正しいコースを示してくださいました。
ありがたい!感謝の言葉もない!
トレイルランナーってなんでこんなに親切なの?
そのランナーさんは、2019年の北オホーツク100kmマラソンのTシャツを着ていました。
北オホーツク愛好家に悪い人はいないのである。
あのときは、満足にお礼の言葉も言えませんでしたが、この場を借りて「北オホランナーさん」に心よりお礼申し上げます。
約1kmのコースロストは確かに痛かったですが、それ以上に人様の親切のありがたさが身にしみました。
いよいよ、レースは終盤戦。
「あともう少しだ!」と希望が見えてくるところでありますが、この後に及んでとんでもない上り坂が待ち受けているとは予想だにしませんでした。
北海道マラソンを知っている札幌市民以外には通じない例えで申し訳ないですが
「北海道マラソンの39km地点で、やっと北大に入ったかと思ったら手稲山だった」
ぐらいに裏切られた感じがありました。
まあ、コースの予習全然していなかった私が悪いのですがね。
ふと、「私はせっかくの休みの日に、なぜこんな我慢大会みたいなことをしなければならないんだろう?」という思考が頭に浮かんだが、こいつに飲み込まれると、私の今までの全人生が否定された感じになるので、「とにかく今、前を見て10cmでも先に進む」ことに専念しました。
長い距離のマラソンでは、考えたら負けです。
思考は幻であるということに気づき、ひたすら前に進むのみです。
40kmぐらいで最終エイド。
スタッフさんが、冷たい水のシャワーをかけてくださったのがありがたかったです。
これでちょっと生き返りました。
最終エイドを過ぎたら、あとは下り基調です。
走りやすい林道をガンガン下っていきましょう。
どうにかヨレヨレになりながらゴール!
6時間半以上の長い旅が終わり、一応フルマラソン以上の距離ということで、私も「ウルトラトレイルランナー」の仲間入りをしたわけでありました。
(次回、反省会に続く)