ちょっと古い話になりますが、8/21(日)に行われた「第6回 十勝岳トレイル in かみふらの」を振り返っていきましょう。
宿泊は「へそのまち」富良野。
ドミトリーでいびきの大合唱に悩まされると思いきや、意外とぐっすり眠れましたね。
観光地で宿泊料金の高い富良野ですが、富良野駅から近い「ホステル トマール」は安くて新しくてキレイで、下手なカプセルホテルよりも快適かなと。
寝るだけなら、このくらいで必要十分ですね。
トレランレースの朝は早い。
7時スタートということで、4時に起きて身支度し、5時にチェックアウトします。
んで、途中のコンビニで朝食とフラスクに入れる水分を調達。
6時前に会場である上富良野町「日の出公園」に到着。
受付を済ませて、荷物の準備をして、テキトーにダラダラ過ごします。
私が参加した55kmの部の参加者は60名と少なく、密な空間になることもなく、ゆるい雰囲気の中、7時にスタート。
いきなりスキー場のような坂の直登で始まり、心臓がバクバクになります。
ただ、ロードのマラソンとは違って、スタート100mもしないうちに、いきなり歩き出してもOKって空気感がいいですね。
先は長いんだから、無理に走って体力を消耗しないようにしていこう。
んで、1kmぐらいのところで、何の前触れもなく左上腕に刺すような激痛が走り、「あ、これはハチに刺された」と。
一応、ポイズンリムーバーは持ってはいるが、使ったことがないというか使い方すら知らん状態でありまして。
「これはヤバいなあ、ピーンチ」と、この日最初にして最大の試練が訪れました。
ただ、幸いなことに、コース上すぐ近くにスタッフさんがいたので「ハチに刺された」と報告して、「じゃあ、医療スタッフが来るまで待って」と、スタッフさんの車の中で待機することになりました。
その間に参加者は全員走り去っていき、「ああ、今日はもうレースどころじゃないな」と。
10分ぐらい待って、医療スタッフが到着。
スタッフの方により、ポイズンリムーバーの針が刺され「いててて」となったが、ハチに刺されたときの激痛に比べたらマシだ。
刺されたとこから毒を含む液が吸い取られていきます。
「へー、そうか。液を抜くのに5分ぐらいも時間をかける必要があるのか。というか、これ一人で山に行ったときにハチに刺されたとき、自分ひとりでもできるんだろうか」などと思いながら、時の流れに身を任せます。
レースを中断して30分ぐらいの時間が過ぎ、もう私の中では「来週、北海道マラソンもあるし、レースなどやめてこのまま帰ろう」とDNFする気満々であった。
しかし、スタッフの方から「もう大丈夫だよ。トレイルならこのくらい遅れてもまだまだ間に合うから、こっから走ってもいいよ」と言われ、「いや、このまま帰ります」などとは言えないわけで。
結局、スタッフの方にお礼を10回ぐらい言って、再びコース上の人となる私なのでありました。
もちろん前には誰もいるわけがなく、孤独な戦いが始まります。
最初のうちは上り基調のロードが5kmぐらい続き、そっから林道区間に入ります。
山岳区間以外は単調な風景が続くのかなと思っていましたが、美瑛のような美しい畑の風景がどどんと広がり、やっぱ富良野・美瑛はどこを走っても絵になるなあと。
で、チンタラ林道を走っているときに、前から車がやってきて、いきなり呼び止められます。
ん、俺、何か悪いことした?
話を聞くと、その車に乗っていた方は第1エイドのスタッフさんで、「もうすでに第1エイドは撤収した」とのこと。
そのときの私は、とてつもなく残念な表情をしていたのでしょう。
スタッフさんは車の中から、エイド食を私に分けてくださり、ついでに水分も補給させていただきました。ありがとうございました。
ということで、この呼び止められた地点が実質第1エイドだったと考え、気を取り直して前に進みましょう。
10km過ぎのところで、ようやく参加者の方とスイーパー(トレランレースで最後尾を走るスタッフ)に追いつきます。
そうです、私はここまでスイーパーの方にも見捨てられていたのです。
まあ、スイーパーの方も、まさか序盤でレースを中断している人がいるとは夢にも思っていなかっただろうから、そこは仕方がないのですが。
人が見えてきて、ようやく精神的に落ち着いてきましたね。
その後もパラパラと参加者の方を抜かし、ビリから10番目ぐらいの位置で進んでいきます。
17kmぐらいの辺りで、岩がゴツゴツしたとこに出くわします。
さすがにここは走るのは無理ですな。
ゆっくり進みましょう。
で、岩だらけのコースを歩いているところで、トレランならではの、川を渡る「渡渉区間」になります。
事前のブリーフィングで「数日前の大雨で、渡渉区間は水量が多く、流れが速くなっている」というアナウンスがありましたが、確かにこれは慣れていない私にとってはちょっと怖い。
基本、私はビビリで小心者なのである。
ただ、私の前の人がタッタッタとリズムよく、水没しないようにうまく岩場に足をかけて歩いているのを見て、「なんだ渡渉、大したことないじゃん」と思いましたが、見るとやるのでは全然違いますな。
岩で滑るんじゃないかという恐怖心から、結局ズボズボ水の中に入っていき、川を渡ったときは靴の中が完全に水だらけになり、このまま裸足になって走りたいと思ったぐらいである。
まあ、何事も初めからうまくいくわけじゃないんでしょーがないだろう。
怪我なく川を渡れれば、今日のところはOKだ。
んで、再びロードに出て、十勝岳の登山口である「望岳台」へと進みます。
「望岳台」に向かうまでの坂が激坂で、さすがにそこは歩きます。
そんな中、涼しい顔をしてスイスイ登っている自転車を見かけ、「お、こいつやるな!」と思ったが、それは電動アシスト自転車でありました。
私にも電動アシストの脚が欲しいわ。
「望岳台」で第2エイド。
ここまで21km。約3時間。
関門まで1時間弱の余裕があり、医療スタッフさんが言われたように、トレランならロードと違って、30分ぐらいのロスならなんとかなるんだなあと。
ここまで来たら、あとは試走した山岳パートと、ひたすら下りの林道なので大丈夫だろうと。
(つづく)