さてさて、猛暑の旭川でのトレイルラン。
10kmまでは「意外と余裕だな」と、トレランを舐めていた私でした。
ところがぎっちょん、第1エイドを過ぎてから、絶望的な上り坂が現れます。
いやいやいや、こんな壁みたいな坂、走れるわけないでしょ!!!!!
私はトレイルランをしに来たわけであって、登山をしにきたわけじゃないんだぞ。
序盤のスタスタ歩きとは違い、一歩一歩崖をよじ登るかのように、山道を上ります。
心臓はバクバクだし、汗はしたたり落ちるし、もう余裕度はゼロでしたね。
今回はスマホを持って、写真撮りながら走ろうかなあなどと思っていましたが、とても写真など撮っている場合ではありませんでした。
とにかく前に進むことだけで手一杯でしたね。
さて、今回は水の他にも電解質の補給のために「エブリサポート」の顆粒を持ち歩いていました。
|
エブリサポートを10本ランパンのポケットの中に入れて、「これで電解質補給は完璧だ!」と思っていたのですが、ポケットをまさぐってみると、10本あったはずの包が5本に減っているではありませんか!!!!!
でもって更に進んでいくと、3本、2本と補給もしていないのに、どんどん減っていきます。
おかしい。
ポケットに穴が開いているわけじゃないのに、なんでこんなに減るのかと。
その答えは下り坂でわかりました。
トレイルの下りって、結構振動が大きく、ポケットの中身が飛び出していくのね。
これは思わぬ盲点でした。
(結果的にコース上にゴミを撒き散らすことになって申し訳ないです。次回はこのようなことがないように気をつけます)
《教訓》
トレランレースではランパンのポケットに大事なものを入れてはいけない。
と言うか、ファスナー付きのランパンを買うべし!
レースが半分以上残っている段階で、頼みの綱のエブリサポートがたったの2本になってしまったのは由々しき事態であるが、そうなってしまったものは仕方がない。
エイドには塩タブがあるので、塩タブを多めに摂って、塩分の補給をすることにしよう。
さてさて、人生上り坂があれば下り坂があるように、トレランもキツイ上りの後は楽しい下りが待っている……。
そんなふうに思っていた時期が俺にもありました。
下りめっちゃ怖いんですけど!
足場は安定しないし、勾配は急だし、へっぴり腰でノロノロ進むことしかできなかったです。
2%程度の緩い下りなら走れるんですが、急な坂は私の技量では走れないですね。
そんな中、下りの速いランナーが、ぴょんぴょんとうさぎのように下っていく姿を見て、下りは度胸と才能なのかなあと思ってしまいました。
多分、「走る」というよりは「左右のバランスを取りながら落ちる」ってのが、トレランの下りの感覚なのかなあと。
走力よりもスキーのような技術が求められますね。
走れる下りは走りましたが、ここで大腿四頭筋でブレーキをかけるような走りをすると、後半ズキズキすることが目に見えているので、できるだけ軽いタッチで、重力に身を任せるようにして下りるように心がけました。
そのおかげか、終盤になっても「脚が終わる」という感覚はなかったですね。
大腿四頭筋に仕事をさせないのが、下りのポイントかなと思います。
今回のレースでは、「通過チェック」として、チェックポイントで輪ゴムを取り、腕につけるという形になっています。
ただ、無人のチェックポイントもあり、ポイントに気づかなかったランナーが勢いよく通過していく場面がありました。
そんな中、後ろから「輪ゴム忘れてますよ!!!!!!」と大声で叫ばれた方がいて、通過していったランナーはUターンして、無事通過チェックの輪ゴムをゲットすることができたのでした。
いいですな、こういう協力をしながらゴールを目指していく姿は。
多分、これがロードレースだったら、「ランネット」のレポートで、「チェックがわかりにくかった。けしからん!」というコメントにつながるのかと思うが、トレイルはそういうわかりにくいところがあって当たり前、みんなで協力してレースを作っていくものだという空気を感じました。
ランナーは「お客様」ではなく、主催者と共にレースを作り上げていく「サポーター」であるのが「トレラン精神」なのかなあと、わかったような口をきいてみます、ハイ。
キツイ上りあり、怖い下りあり、そして、ランナーとの連帯感ありと、今までのロードレースとはひと味もふた味も違った空気を楽しみながら、第2エイドに到着したのでありました。
ここまでだいたい22km、約3時間。
(つづく)