去年の11月に「外傷性クモ膜下出血」で入院して以来、モノの味がすっかり変わってしまい、以前おいしいと感じられたものが、あんまりおいしいと思えなくなりました。
こりゃ「味覚障害」だなと、しぶしぶモノを食べていた時期もあったんですが、5ヶ月経った今でも味覚は戻らず。
「舌磨き」などの口腔ケアはしているし、味覚障害に効くと言われている「亜鉛サプリ」も摂っているんだが、イマイチだのう。
しかし、ここまで来たら、発想の転換で「味覚障害」ではなくて「味覚が変わった」と思えばいいのではないだろうか。
冷静に考えると、「以前と味が変わった」だけで、モノ自体を食べることはできているのだから、日常生活で困ったところはない。
と言うか、糖質や脂質たっぷりの「ジャンクフード」が苦手になったことで、食費も減り、むしろ健康にはよい影響を及ぼしているのではないだろうか。
少なくとも、今の味覚を受け入れた方が、耳鼻科を転々とする「ドクターショッピング」よりは生産的なような気がする。
味覚が変わってからは、外食もほとんどしなくなりましたね。
以前、外で食べる習慣があったラーメンとかハンバーグとかは、今は食べたいと思えなくなりました。
しっとりとした柔らかいものが苦手になってきていますね。
今まで好きだったものがダメになった分、逆に「ちょっとこれは苦手だなあ」と思っていた、「酸味の効いたもの」や「生姜系」の味が好きになってきました。
今や「もずく酢」が、私にとってはごちそうで、以前ブログで書いたように、業務スーパーの「姜醤葱」が、欠かせない調味料になっています。
お菓子の好みも変わりましたね。
以前はケーキなどのクリーミーな洋菓子が好きだったのですが、今はそんなに好きではなかったクッキーやビスケットなどの「サクサクパリパリした食感」のモノが好きになってきています。
最近のお気に入りはこれ。
業務スーパーで買った、スリランカ製の「ジンジャービスケット」。
以前の味覚だったら「辛い」と感じられ、「だめだこりゃ」と思うような代物であるが、今はこのくらいの「辛いぐらいの生姜味」が「うまい」と感じてしまうのだから、人生どこでどうなるかはわからない。
80円ぐらいで「こりゃ、めっちゃうまい!」と思えるお菓子を発見した私は、本当に経済的な男である。
今は1000円以上するような「グルメなケーキ」にも、あんまり食指が働かないからのう。
自分の変化を「味覚障害」としてとらえ、「元の味覚に戻せ!」と戦い暴れるのも一つの道であるが、今の味覚を受け入れ、今まで美味しいと感じなかったものに美味しさを感じるのも、また一つの道。
「病気」というレッテルを貼らずに、そのまんまを生きていきましょう。
あまり過去にこだわることなく、「いま」をしっかり受け入れ、それなりに変化を楽しんでいきましょうというお話でした。
案外、こんくらいの心持ちの方が、突然味覚が戻るかもしれないしな。
まあ、「どっちでもいいや」という気持ちで、今の舌に愛着を持って、食を愉しんでいきたいと思います。
さようなら。