ゴシラン

走ることについて語ります

厚床駅〜納沙布岬〜根室駅80kmポタ(その4)

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さてさて、「本土最東端」である納沙布岬より、南西へと向きを変えて、根室市街に戻りましょう。

 

ここまで約55km、ぬくぬくと追い風に乗ってきて「いやぁ〜、チャリって楽チンだなぁ」と余裕ぶっこいていたのですが、180度風向きが変わり、地獄のサイクリングが始まります。

スピードのある分、ランニングよりも自転車の空気抵抗の方がキツく感じますな。

 

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北海道の農村や漁村で私が不思議に思うことは、どういうわけか「端午の節句」にはまだ早い4月の頭から、鯉のぼりを揚げている家庭が多いってことなんだよな。

やたら早く鯉のぼりを揚げるのは、豊作とか大漁とかそういうものを願う意味もあるのだろうか?

あちこちの家に時ならぬ鯉のぼりがあることに、違和感を覚える私なのであった。

 

まあ、鯉のぼりがあるのは別にいい。

問題はこの鯉のぼりの角度なのである。

下に垂れずに、これだけ横になびいているということは、相当風が強いということを意味するわけでありまして。

この日の根室地方は風速約10m/sの強風が吹き荒れたと共に、建物や高い木などの遮るものがない原野の中の一本道なので、余計に風がキツく感じましたわ。

時速は一気に一桁まで落ち、これならランニングと大して変わんないんじゃないかレベルのスピードしか出なかった。

 

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根室半島のオホーツク側は、太平洋側と違って、民家が全然なく、こんな道を逆風の中20km以上「永遠と」ペダルを漕ぐ苦行が続きました。

最近、ネット界隈でよく「延々と」を「永遠と」という風に誤用されることが指摘されているが、今回のサイクリングに関して言えば、「延々と」ではなく「永遠と」の方が正しい使い方なんじゃないかって気がするぐらいの「向かい風無間地獄」なのであった。

 

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13時35分、スタートから6時間以上かけて、ようやく根室駅に到着しました。

納沙布岬から根室市街までの25kmに2時間ぐらいかかりましたね。

自転車の敵は、上り坂以上に向かい風なのであった。

下り坂でもペダル漕がないと進まないレベルの風は、本当に心が折られました。

 

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まあそれでも、久しぶりで、かつ故障明けで、しかも小径車でのサイクリングにしてはよく頑張ったのではないでしょうか。

今年は月に1〜2回ぐらいは、こんな感じで輪行からめて自由に自転車走らせたいなあ。

 

さて、消費したカロリーの分、しっかり食うべし!食うべし!食うべし!

 

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「駅前札幌ラーメン」。

去年、根室半島一周をランニングした後にも利用した店である。

リピーターだ。

 

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去年はここで「日本一豪華なラーメンライス」を堪能した。

ここのライスは魚料理や、食べ放題の塩辛などがついてくるという、いたれりつくせりのサービスっぷりなのであった。

 

今回もまたラーメンライスを頼むのは芸がないので、果たしてご飯物を注文したときも、同様のサービスがあるのか試してみることにしました。

カツカレー(1100円)を注文します。

 

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ご飯物を注文しても、魚料理がついてくるサービスは健在であった。

かれいの煮つけやカニ汁はカツカレーに合わないんじゃないかという意見もあるかもしれないが、細けえことは気にするな。

こっちは腹が減ってんだ。

たらふく食えればそれでええんよ。

 

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そして、塩辛、海苔の佃煮、タコわさびが食べ放題のサービスも健在なのであった。

いくら味覚にうとい私とは言え、さすがにカレーの中にこれらの食材を放り込むのはカレーに対する冒涜なので、極力カツとカレーだけを先に食べて米を消費しないようにして、カレーがかかっていない部分の米と共に、これらの食べ放題サービスを利用したのであった。

あー、塩辛うめえ、海苔うめえ、タコわさもうめえ。

 

でもって、かれいの煮つけも甘いたれの味付けでうめえ。

正直、子供のころは骨ばっかりで食べにくいかれいの煮つけが嫌いだったのだが、一人暮らしのおっさんになると、こういう「家では食べられない」ものが妙にうまく感じるなあ。

私にかれいの煮つけを作る自炊レベルはない。

 

ごちそうさまでした。

飯を食い終わった後も、無造作にスマホをいじっている私に対して、「ゆっくりしていってね」と声をかけてくれたおばちゃんの心遣いも素晴らしい。

私の中では、ここは本当に根室を代表する最高の店である。

絶対にまた来る。

 

ただ、カレーだと、塩辛などの食べ放題サービスが堪能しづらいので、定食物を頼むのが一番この店を楽しめるかなあ。

ラーメンライスだと腹いっぱいになりすぎるし。

次は餃子定食辺りを頼もうかなと思う。

 

さようなら、駅前札幌ラーメン。

腹も心も満たされて、向かい風地獄のことはすっかり忘れてしまった私なのであった。

 

飯を食ったら、後は釧路に帰るだけなのだ。

JRで帰ってもよかったのだが、バスの方が早い時間帯に出るので、バスで帰ることにしました。

 

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さあ、撤収!撤収!

 

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写真撮影に失敗して変なアングルであるが、「特急ねむろ号」は高速バスで使われている「3列シート」のデラックスなバスなのであった。

ちなみに運賃は片道2290円とJR(2860円)に比べ安いです。

国道44号線をひたすら走るので、車窓の景色はJR花咲線ほど面白みがないが、単なる移動手段と割り切れば、釧路〜根室間のバス利用もよいのではないでしょうか。

 

車内はガラガラで、折りたたみ自転車を持ち込んでも運転手に何も言われることはなく、窓際の席をゲットし、荷物と自転車の入った袋は真ん中の席のところに置きました。

去年までは「予約制」の「特急ねむろ号」でありましたが、こういう利用状況ですので、予約無しで自由に乗れるようになりました。

客は私を含めてたったの2人と、JR花咲線以上に寂しいものを感じましたね。

ただ、このバスは根室や浜中方面から、釧路市内への主要病院へと停まっていくバスなので、平日は通院目的の客が結構いるみたいです。

 

客が全然いないので、椅子のリクライニングを思いっきり後ろまで倒し、今日のサイクリングの疲れを癒やします。

早い話が、釧路までの間、ほぼずっと寝て過ごしていました。

JRよりもシートがいいんで、寝て過ごすにはもってこいのバスだわ。

客がたくさんいる深夜の高速バスだと、私は気が散ってほとんど眠れないのだが、ガラガラのねむろ号は自宅にいるかのようにくつろげてぐっすり眠れるわ。

また今度、ぐっすり寝るためだけにこのバスを利用してもいいと思ったぐらい、質のよい睡眠を得られました。

 

さようなら、ありがとう、ねむろ号。

正直、JR花咲線よりも、ねむろ号の廃止の方が早いような気がするので、全国のバスマニアの方は一刻も早くこのバスを利用することをオススメします。

 

こんな感じで、特に観光地で遊んだり、雑誌に乗っているようなグルメを満喫したわけでもなかったのだが、得も言えぬ幸福感を味わえた今回の自転車旅なのでありました。

自転車旅は、目的地という「点」ではなくて、その過程を含めた「線」で楽しめるのがいいですな。

 

ここまで、ご清聴ありがとうございました。

また、次の旅日記でお会いしましょう。

 

さようなら。