kindleでこんな本を売っていたので、ついつい買ってしまいました。
「超訳」というと、ある年代以上の方は「アカデミー出版」と「シドニィ・シェルダン」を思い出すのではないでしょうか。
新聞広告で、「シドニィ・シェルダン最新作!」「ページをめくる手が止まらない」「一度ページを開くと、夜も眠れなくなること必至。寝不足者続出!」など、「これ明らかに誇大広告やろ!」というアレである。
まあ、確かに「ゲームの達人」など、シドニィ・シェルダンの小説は、最初読んだ2冊ぐらいは面白く感じたが、ワンパターンの復讐劇で、3冊目ぐらいからは「どれ読んでも同じ」ってなるんだよね。
日本の小説家で言うと、「半沢直樹」の池井戸潤さんみたいな感じ。
というか、「超訳」はどうでもいい。
問題はメインタイトルの「脂肪燃焼ランニング」なのである。
著者の小谷修平さんは日本人で、普通に原文も日本語なのに、どうして「超訳」という枕詞がついているかは謎。
とりあえず、謎は謎のまま置いておくことにして、この本のポイントは
走るために必要なエネルギーである「糖質」と「脂肪」のうち、「脂肪」を有効に使いましょう。
ということをコンセプトにしていることである。
フルマラソンを何回も完走されているような方にとっては、このことは常識かもしれませんが、一応まとめておくと
糖質…体内の貯蔵量が少ない。ペースが速くなると消費されやすい。
脂肪…体内の貯蔵量は多い。ペースがゆっくりだと消費されやすい。
という感じでしょうか。
フルマラソンでの俗に言う「30kmの壁」は、糖質の枯渇が原因とも言われています。
フルマラソンの30km以降や、ウルトラマラソンで余裕を持って走るためには、いかに貴重な糖質を消費せずに、たっぷり蓄えられている脂肪を使えるかがポイントになります。
では、脂肪活用能力を高めていくには、日頃からどういうことに取り組んでいけばいいのか?
小谷さんは以下の2つをポイントに挙げています。
1.空腹ランニング
2.糖質制限食
今回は1つ目のポイントの「空腹ランニング」について見ていきましょう。
小谷さんは「空腹ランニング」のやり方として、以下の4つを挙げています。
1.練習前に長めの絶食時間をとる(目安:8〜12時間)
2.鼻呼吸で走れるようなゆっくりペースで走る
3.運動時間の継続時間の長さがポイント。徐々に体を慣らして少しずつ長く走れるように努力する
4.エネルギー補給はしないが、水分や塩分などの電解質の補給はOK
というか、「これ全部今ワシがやってることやんけ」というのが正直な感想である。
「8〜12時間の長めの絶食時間を取る」ってことになると、必然的に「朝ラン」という形になる。
鼻呼吸は以下の本を読んで、私が4月から取り組んでいることだ。
私は大体、120〜130ぐらいの心拍数で、「フルのレースペース+1分〜1分30秒」ぐらいのゆっくりペースで走っている。
というか、そんくらいのペースじゃないと鼻呼吸では持たない。
フルの持ちタイムが私と同じぐらいの人のブログと比べると、正直私の練習は生ぬるいような気もするが、脂肪燃焼という意味では大きな効果があるようだ。
運動時間については今のところ「2時間20km」ぐらいなら、空腹無補給で全然行ける。
もちろん、早朝だと気温15〜20度ぐらいしかない釧路だからこそ、無補給で行けるのであって、多分暑いところに住んでいたら水分や電解質の補給は必要となってくるだろう。
100kmウルトラで、それなりの結果を残すには「50km空腹無補給」がストレスなくできるようになればいいんじゃないかなあと思うが、とりあえず、今のところは「30km空腹無補給」をゆっくりペースでいいので、毎週のようにコンスタントにこなせることが目標ですね。
本にも書いてあったが、脂肪燃焼ランニングは「一朝一夕で身につくものではない」ので、いかに継続して、徐々に体質を変えていけるかでしょう。
幸い、今時期はレースがないので、根本的な体質改善を図る人体実験には適しているのではないかなあと思います。
ちなみに、「スロージョギング」の提唱者であった田中宏暁さんの著書にも、小谷さんと似たようなことが書かれています。
本の中で、「早朝・空腹時のトレーニングで脂肪を使う能力を高めよう」ということで、早朝に「にこにこペース(笑顔を保っておしゃべりできる上限のスピード)」で走ることを奨励しています。
「にこにこペース」の心拍数は、私のような走り慣れている人で見ると
148−年齢÷2
を目指せばよい。
ということで、私の場合だったら「148−47÷2=124.5」となり、ほぼ日々のトレーニング時の平均心拍数の「120〜130」に一致し、今のようなタラタラした練習を続けていけば、脂肪をうまく使うことができ、長い目で見れば、フルマラソンやウルトラマラソンで、最後までパフォーマンスを落とすことなく走り続けることができるんじゃないでしょうか?
知らんけど。
早朝の空腹時ランニングは、昼間や夕方と違って、特に出だしは全くスピードが出なく最初はキツく感じますが、逆に言えば「スピードが出しづらいから故障もしにくい」というメリットもあると思います。
次回は「糖質制限食」について見ていきたいと思います。
さようなら。