ゴシラン

走ることについて語ります

ワッカで「すーっ」と抜けよう!

いよいよ2日後に迫った「サロマ湖100㎞ウルトラマラソン」。

去年もそこそこ暑かったですが、今年の予報はそれ以上にヤバいです。

 

コース真ん中あたりの佐呂間町の天気予報は、こんな感じです。

 

 

直射日光が容赦なく降り注ぐ中での30度越えと、歴代サロマの中でも1、2を争うようなタフなコンディションになりそうです。

「いやぁ、今年参加しないでよかったわぁ」と、ホッと胸をなでおろす私なのでありました。

参加される皆様、記録や完走よりも、とにかく「倒れないこと」を最優先してくださればと思います。

 

そんな暑い日のマラソンは、糖質補給も大事ですが、それ以上に大事なのが「電解質補給」ですね。

OS-1のような「経口補水液」も、普通のスポドリよりも塩分が多く含まれていいのですが、私がおススメするのは「経口補水パウダー」です。

 

 

これだと、水と違ってかさばらずに、ランパンのポケットに入れることもできます。

ただ、十分な量の水と一緒に摂取しないと、喉がやられるので、直飲みするのはやめた方がいいと思います(経験済み)。

大体、1時間に1本ぐらい摂っておけば、電解質異常が引き起こす脱水は防げるのではないでしょうか。

あくまで個人の経験で、医学的なデータはないんですが。

 

当日は、今年からなくなる私設エイド「斉藤商店」(68㎞ぐらい)のところで応援しようと思っていたのですが、応援するだけでもかなり消耗しそうですので、涼しいスタート前に湧別に行って、挨拶できる方には挨拶して、そっから移動して、42.195㎞地点の「月見が浜」で8~10時まで応援して、速やかに撤収しようと思います。

そっから先の景色やゴールは、来年参加するときの楽しみに取っておきましょう。

スタート時に、先ほど紹介した「経口補水パウダー」を配ろうと思っていますで、希望される方はお声かけ下さい。

くどいようですが、塩分補給は本当に大事です!

 

 

私が5年前に「初サロマ」で100㎞走ったときのこと。

事前にネット上の「サロマ完走記」と共に、村上春樹さんのエッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること」を何回も読みました。

 

 

その中で、村上さんがサロマを走った様子について書かれていたのですが、50㎞を過ぎた辺りからずっと辛くて辛くてたまらなかったが、75㎞地点ぐらいで「すーっと抜けた」というようなことが書かれていました。

そっか、ウルトラはどっかでラクに感じるときがあるのかと。

 

しかし、現実の私は60㎞を過ぎた辺りから辛くて辛くてどうしようもない状態でした。

それでも村上春樹を信じて「75㎞まで頑張ればラクになる」と思ったものですが、75㎞を過ぎてもちっともラクに感じられることはない。

村上春樹の嘘つき!」と、半分頭の中で毒づきながら、ふらふらと走っておりました。

 

79.4㎞のエイドを過ぎ、「もう俺はダメだ」と思いながら森の中をさまよい、「まだ20㎞もあるのか」と絶望的な気持ちになります。

 

 

ところが、森の中を抜け、「ワッカ原生花園」に入ってから一変します。

 

 

そう、80㎞のワッカに入ってから、「すーっ」と抜けたのです!!

青い空に鮮やかなお花畑。

「三途の川を超えて天国に入ったらこんな気分なんだろうなあ」

と、天にも舞うような気持ちになったと共に

「そっか、ここを走るために、サロマの大会は作られたのか」

と、コース作成者の意図がわかったような気がしました。

 

あのときのサロマは、ゴールそのものよりも、ワッカに入ったときのすーっと抜けた浮遊感がひたすら気持ちよかった記憶があります。

「きっと、死後の世界はこうなっているんだなあ」と、宗教的な体験をしたようでした。

 

今回のサロマは恐ろしい気象条件が予想されますが、「もうダメだ」という壁を超えてからは、「すーっ」と抜ける感覚があると、参加者の皆様には信じてほしいです。

この「すーっ」と抜ける体験ができるかどうかで、ウルトラマラソンが好きになるかどうかのポイントがあるような気がします。

 

辛いときは、「ペースがどうだ」とか「残り時間がどうだ」とか、頭で考えることはやめて、ただ目の前の光景に呼吸とともに集中して、「すーっ」とあっちの世界に飛んでいきましょう。

 

と、なんか宗教の勧誘のようになってしまいましたが、サロマに参加される皆様、日曜は力の限り楽んでくださいっ!!

 

さようなら。