ゴシラン

走ることについて語ります

おっさんが読む「基礎英文問題精講」

「基礎英文問題精講」

 

 

私が受験生だったころ、愛用しまくった参考書である。

ちょっと複雑な英語の構文を「えーっと、これが主語で、こいつが動詞。でもって、関係代名詞がここにかかっているから…」と、うんうん考えながら、しこしこと和訳をしたものだ。

コイツを何回も繰り返したおかげで、受験生時代は英語で苦労をすることは特になかった。

「基礎」と言いながら、H大の2次試験にも使えた優れた参考書なのであった。

 

月日が流れ、大学を卒業した後、とある人のところに遊びに行った。

そいつの家の本棚には「基礎英文問題精講」が飾られており、「おー、懐かしい!てゆうか、なんで未だにこんな本持ってるの?」と尋ねたところ

 

この英文は本当にいいことが書いてあって、捨てられないんだよね

 

と。

 

おお、そうだったのか。

高校時代は「SVOCがこういう仕組みで…」と、英文を日本語に直す「作業」しかしてこなかったので、この参考書にどんな内容のことが書かれているのか真剣に考えたことがなかった。

一体、どんないいことが書かれていたのだろうか?

 

ということで、ブックオフに100円で売っていたので買いました。

基礎英文問題精講。

 

おっさんになって、英語力は高校時代に比べるとガタ落ちになっていたので、日本語訳だけ読んでみた。

 

おお!なんと素晴らしいことが書かれているのか。全然気づかなかったわ!

 

高校時代はピンと来なかったアインシュタインの文章も、大人になってから読むと、「うんうん、アインシュタインは科学者としてだけではなく、人間としても深い人なんだなあ」としみじみ。

アインシュタインの他にも、人生訓となるような深い内容の文章が多く、「これは声に出して読みたい英文だ」と思ったのであるが、残念ながら三訂版までは音声データは付属していなかったので、音読教材には不向きだったのだよな。

 

www.obunsha.co.jp

 

ところが3年前に発売された「四訂版」では、音声データが付属するようになり、耳からも学習できるようになったではありませんか。

先日Kindle版が54%OFFで売っていたので、ついついポチリしちゃいました。

 

最近の入試の傾向に合わせ、昔のように人生論的な哲学チックな文章ではなく、英字新聞の抜粋のような薄っぺらい文が増えたのがちょっと残念ですな。

まあ、そこは時代の流れだから仕方がない。

とは言え、昔の英文もかなり残っており、思わず「懐かしい~」という気分になりました。

 

アインシュタインの名文も健在でしたね。

 

 Strange is our situation here upon earth. Each of us comes for a short visit, not knowing why, yet sometimes seeming to divine a purpose.

 From the standpoint of daily life, however, there is one thing we do know: that man is here for the sake of other men --- above all for those upon whose smile and well-being our happiness depends, and also for the countless unknown souls with whose fate we are connected by a bond of sympathy.

 

人間はひとりでは生きていけない存在なのである。

 

ランナー的には、この文も心に突き刺さるかなと。

 

I have learned that success is to be measured not so much by the position that one has reached in life as by the obstacles which he has overcome while trying to succeed.

 

「フルマラソンサブスリー」などの「達成した結果」も大事ですが、それに向かってどのように障害を克服したかということは、もっと大事なのではないかと思います。

年齢や持って生まれた才能を言い訳にすることなく、一歩一歩進んでいく過程が、サブスリー達成という結果よりも尊いのではないかと思います。

 

まあ、そういうことは結果を残した人間が言うからカッコいいのであり、そうでない人が言ったところで、ただの「負け犬の遠吠え」という話もありますが。

とにもかくにも、結果よりも「道のりを楽しむ」つもりで何事も取り組んで行ければなあと思います。

 

さようなら。