ゴシラン

走ることについて語ります

「別海アイスマラソン」参加記(その5)

gossy54200.hatenablog.com

 

今までのマラソンの常識が全く通用しない、ぬかるんだ雪の上を走った「別海アイスマラソン」。

10km過ぎからは、キロ10〜12分ペースでひたすら歩きまくりましたが、どうにか「38km7時間」の制限時間に間に合い、完走の資格をゲットすることができました。

 

入賞は完全に圏外であるし、今更「サブ8を目指そう!」とかタイムの目標もない。

もう、最後の1周は徹底的に楽しんでやろうじゃないか!

ふふふ、ここまで封印してきた「仮装ランナー」としての血が騒いできたぜ……。

 

さあ、テントに入ってコスチュームに着替えましょう。

しかし、これがかなりの難作業。

身体中がこわばり、特に足はぐちょぐちょで、シューズの脱ぎ着にえらく時間がかかりました。

こんな満身創痍の状態で7時間戦ってきたんだなあと、改めて痛感しました。

 

結局、着替えに10分ぐらいかかりましたね。

さあ、最後の1周、ゆっくり楽しもう!

 

(写真はオフィシャルHPより。掲載にあたり主催者の許可は取っています)

 

去年の北海道マラソンに引き続き、牛の格好で最後は走ることにしました。

今までエイドでエネルギーを補給してくれた「別海牛乳」に敬意を表し、別海11万頭の牛を代表して、一歩一歩ゆっくりと、かつ力強く歩んでいこうではないか。

 

それにしても仮装ランナーというのは、こういうギャラリーのいない大自然の中では、応援を得ることもなく、非常にむなしい。

誰も注目していないのにこんな格好をして、私は日本一のアホなんじゃないだろうかと、後ろ向きな気分になるのであった。

どうせなら、テレビカメラが回っている最初の1周を「仮装タイム」にした方がよかったかなと。

 

ちょっぴりむなしさを感じたラスト1周であったが、それでも晴れ渡った野付湾は天国のような光景でありました。

 

 

西に傾いた太陽の光の神々しいことよ。

私は三途の川を渡って天国を歩いているんじゃないかと思えるような、夢心地のラスト1周でした。

はっきり言って、コース上にいたうちの95%以上は、とんでもなく辛い時間でありましたが、終わりよければ全てよし。

苦労してきた分の「ご褒美」のような、多幸感につつまれた1時間でありました。

 

一日の思い出が走馬灯のように蘇り、ラスト400m。

ここまで晴れていたのが一転、ゴール前は濃霧につつまれ、進んでも進んでもゴールが見えないという状況でありました。

ふふ、最後の最後になって、まだ私を苦しめてくれるとは、さすが「日本初」のアイスマラソンだけのことはある。

人工物のない大自然を前にすると、所詮人間などちっぽけな存在なのである。

 

 

視界の悪い中、トボトボとゴールテープに向かって進んでいきます。

すでにトップがゴールしてから2時間半。

こんな時間になっても、テープを張って、私のゴールを待つスタッフの皆様に感謝です。

 

 

42km、どうにか最後まで動き続けることができました。

 

 

ゴール!!!!!!

 

かくして私は、日本で12人目の「42kmアイスマラソン完走者」となりました。

 

 

(※ 39kmはエイドでの着替えを含めたタイムです)

 

(反省会につづく)