10/25(日)、私は釧路市内で開催された「第1回まちなかトレラン」の個人の部に参加し、8時間ひたすら1周1マイル(=1.6km)のトレイルを走る羽目になったのでした。
《スタート前》
レース開始が朝の8時ということで、4時間前の4時に起床しました。
普段は朝飯を食べない私であるが、さすがに「腹が減っては戦ができぬ」ということで、「サンドイッチ+カステラ+オレンジジュース」の朝食を摂ります。
なんか、米とか餅とかの方が馬力が出そうな気がするが、ずーっとマラソン大会の朝食はこのルーチンでやってきたので、なかなか変えられない。
体重を測定しましょう。
前日にアホみたいに食いまくった効果があって、前日比+2.2kgの54.7kg。
カーボローディング込みでのこの体重は理想的です。
ま、結論から先に言うと、この増えた分は一日にして帳消しになったわけだがな。
恐るべし8時間走。
逆に言えば、8時間走ってもたった2kgしか減らんのかという見方もできるわけだが。
色々準備して、6時に出発。
会場は家から車で10分と、近くて移動が楽チンでいいですな。
早めに行かんと、駐車場停めるとこないんじゃないかなという心配は杞憂で、私が到着したときはガラガラでありました。
大きな大会だと、車を停める場所に誘導されるまでも一苦労することがあるわけで、ローカル大会バンザイ!ですな。
ここまで来たら、あとは受付とか開会式で外にちょっと出る他は、車の中でヌクヌクと待機ができ、スタートまでリラックスした時間を過ごすことができました。
会場と駐車場が同じ敷地内にあるのは本当に楽で良い。
《スタート〜10km》
スタート30分前に「アミノバイタルパーフェクトエネルギー」と足攣り予防サプリ「2RUN」を投入し、5分前にスタート地点に並びます。
人数が少ないレースですと、ゆるい感じで、ピリピリしていなくていいですな。
ゼッケン番号順に整列して、スタートのときを待ちます。
10秒前、9、8、7、6………。
バーン!
号砲のもと、勢いよく飛び出したと言いたいところですが、今回のレースは「密」を避けるために3秒毎のウェーブスタートとなっています。
号砲から30秒ぐらいしてから、チップをセンサーにタッチしてスタートと。
この「センサーにタッチ」が周回を追うごとに面倒になってくるわけですが、まずは「ブオーン」というセンサー音がきちんと鳴ったことに安心して駆け出していきましょう。
スタート時、センサーにタッチすることに気を取られていたあまり、ガーミンのスタートボタンを押し忘れるという失態を犯すが、まあ、長丁場だし、そんなに気にすることもないだろう。
むしろ300mぐらいのところで気づいてよかったですわ。
イマイチペース感覚がわからないが、まずは鼻呼吸で行けるペースでゆるゆると進みましょう。
最初の800mぐらいは向かい風で、余計にペース感覚がわからんかったですね。
後からスタートした「チームの部」の速いランナーが、サブスリー以上のペースでギュイーンと抜かしていくが、そこは気にしない。
コース幅は十分にあり、抜いたり抜かれたりはそんなにストレスがかからなかったです。
途中、個人の部に参加のランナーさんから「ブログ見てますよ」というありがたいお言葉をいただいたりして、無事一周目終了。
ゲートにある大時計を見ると、9分ちょっとで走っているので、まあ、そんなに悪いペースじゃないかなと。
最も算数の弱い私は、1マイルで9分がキロ何分なのか計算できなかったわけですが、少なくともキロ6分は切っていることがわかるので、このペースをキープする方針で行きましょう。
3周目が終わったところで、鼻呼吸オンリーから、口呼吸を解禁。
お、呼吸が楽になって、これは気持ちよく走れるぞ!
楽なペースで行けるところまで行っちゃいましょう。
ガーミンは基本見ないで走りましたが、周回ごとに大時計を見ると、序盤は「一周8分半〜9分」ぐらいのペースで進んでおりました。
しつこいようですが、これがキロ何分か瞬時に計算できないところが、私の頭の弱いところであって、今冷静に考えれば、これは明らかに速すぎるペースであった。
ガーミンの走行ログはこんな感じ。
《10〜20km》
段々同じところをぐるぐる回ってくることに飽きてきますが、この辺りから「ランナーズハイ」になってきたのか、このペースでどこまでも走り続けられるような気がして、脳から「幸せホルモン」が分泌されてきます。
もちろん「このペースでどこまでも行ける」ってのは脳の錯覚で、いつも騙されて、最後の方には痛い目を見ることになるわけなのだが、学習機能のない私は、すっかり「幸せホルモン」の世界に入り浸り、甘美な世界を堪能していました。
15kmのラップが8分近くかかってますが、これはトイレ休憩+給水のため。
「カーボローディングもバッチリだし、身体は全然元気だし、食べなくても大丈夫だろう」と、ここまでは水分以外の補給は摂らなかったわけですが、これが後になって泣きを見る展開になろうとは、このときみじんも思っていなかったわけであります。
《20〜30km》
相変わらず「キロ5分10〜20秒ペース」で、ガンガン押していきます。
23kmでキロ8分近くになっているのはトイレ休憩+補給のため。
ここでようやくジェルで100kcalぐらい入れたわけだが、今思えば30kmまでの補食がこれだけってのは明らかに無謀であった。
《30〜40km》
30kmを超えた辺りで、髭面のおっさんランナーが近づいてきて、私に話しかけてきました。
「いいペースで走ってますね」
ん、何なんだこの人はと、一瞬いぶかしげに思ったが、おお、なんと今回のゲストランナーの井原知一さんではありませんか!
「ペースが安定してますよ」
「ウルトラ得意でしょ」
「ウルトラ向きのいい走り方していますよ」
などと、お褒めのお言葉をいただき、ワタクシ、天にも舞い上がる気分でありました。
だって、100マイルのトレイルレースを何回も完走されている、あのプロレーサーの井原さんが言っているのですよ!
(と、ずっと前から井原さんを知っているような書き方をしているが、実はレースに申し込むまでは、井原さんの存在を知りませんでした。色々調べて「すごい人」だということを最近知ったわけです)
ワタクシ、根が子供なもので、「褒められて育つ子」なのです。
もうすっかりその気になっちゃいましたね。
例えて言うなら、プロ野球選手が行う小学生向けの野球教室で、プロ選手に褒められた小学生の気分でありました。
「俺、プロに褒められたし、将来プロ行けんじゃね?」みたいな。
つい、ワタクシ、気分が大きくなって言っちゃいましたね。
「将来、100マイルレース目指してるんです!行けますか?」
井原さん
「行けますよ!(即答)」
「今日は50マイルを目指しています」
「今の調子なら行けますよ。頑張りましょう!」
と、夢のような井原さんとのひとときを過ごした、少年の心を持つゴッシー中年なのであった。
子供の頃、こういう指導者がいたら、もっと体育の時間が好きになってたのになあ(わたしゃ、子供のころは運動会はビリばっかりで、跳び箱も縄跳びも満足にできず、本当に体育の時間が苦痛でありました)。
さて、井原さんと会話をしていたときは、心身ともに絶好調の私なのでありましたが、35km過ぎから、早くも緩やかに失速が始まったのであった。
※ 40kmのタイムは補給時間込み
くーっ、まだフルも走ってないのに、もう失速が始まったのか。
確かに心拍数見ると150超えてる状態でずっと走っているし、気温は低いけど、太陽は燦々と照りつけ、自分が思っているよりは消耗しているのかもしれない。
夢のような快走ペースは終わり、こっから「ウルトラ」の醍醐味を嫌と言うほど味わうのでありました。
(つづく)