前回は「やってのける」という本の中で、「証明型」と「習得型」の違いについて述べていきました。
今回はその続きです。
同じ目標に達するにも、そのとらえ方とアプローチは個々によって異なります。
例えば「フルマラソン完走」という目標を持つ、A君とB君がいたとします。
A君は「フルマラソン完走」という目標に対して、「完走したらどんな世界が待っているんだろう」と、純粋にワクワクしながら夢を見ています。
一方、B君は「フルマラソン完走できなかったらどうしよう」と、やる前からダメだったことを心配しています。
ここで、A君のタイプを「獲得型」、B君のタイプを「防御型」としておきましょう。
なんか、直感的に「獲得型」の人の方が「防御型」の人よりも、目標を達成しやすいように感じるかもしれませんが、一概にそうとは言えないと、筆者は言っています。
フルマラソンで言えば、A君タイプはとんでもない好走をしでかすかもしれないが、あまりにも42.195㎞という距離を楽観的に考え、後半撃沈するかもしれません。
一方、B君タイプは、慎重に行動するので、序盤のペースを抑えて、終盤になっても大崩れしないタイプなのではないかと考えられます。
長距離走のような持久力が問われる競技は、ひょっとしたら「防御型」の性格の人の方が向いているのかもしれませんね。
本の中で、私が面白いなあと思ったところは
「防御型」の人は、成功者の話よりも「落伍者の話」でモチベーションが上がる
というところです。
「イチロー」や「大谷翔平」などのお話は、「防御型」の人間には響かないということです。
それよりもむしろ、引退後犯罪を犯すような元スター選手や、一流大学を卒業しても定職に就けないようなエピソードに接して、モチベーションが高められるようです。
寓話「アリとキリギリス」の「キリギリスにはなりたくねえ!」というのが、「防御型」の人にとって最大のモチベーションになるのでしょう。
ちなみに私は、マラソンブログのレースレポで、「好走レポ」より「撃沈レポ」が大好きな性格の悪い「防御型」の人間であることは言うまでもありません。
(「撃沈レポ」の中にこそ、学びがあるのだよ)
世の中、「楽観主義」の「獲得型」の人がもてはやされる傾向にあるようですが、私のような「悲観主義」な「防御型」の生き方も、大きな失敗をしないで目標を達成できるという意味では、まあ悪い生き方ではないんじゃないでしょうか。
みんな違って、みんないい。
と、薄っぺらい結論になったところで、さようなら。