さてさて、10時ちょうどに、別海町パイロットマラソン、フルマラソンの部がスタートいたしました。
《スタート〜5km》(22:07)
さすがローカル大会だけあって、スタートラインまでのロスタイムはたったの7秒。
これで「あー、グロスでダメだったよ。ネットタイムだったら楽勝だったのになぁ」という言い訳は使えません。
まずは土のトラックを一周します。
うーむ、全天候型のタータントラックに比べると、反発を感じず走りにくいが、たった400mの辛抱だ。
まずはしっかりペースを作っていこう。
競技場内では和太鼓がドンドコ音を鳴らして、ランナー達を応援してくださいます。
こういう素朴でぬくもり感のある応援が心地よい。
太鼓のリズムに合わせてズンドコ進んでいきましょう。
競技場を出て、まずは別海市街地を走ります。
私は自分でペースを作れない人なので、適当なペーサーを見つけて、ひたすらコバンザメ戦法を使いながら「巡行ペース」に乗せていくことにしています。
別海は小規模な大会なので、気を抜くと単独走になってしまい、風の影響を受けてしまいます。
まずは手頃な集団を見つけたいところだが、なかなか合う集団が見つかりませんな。
などと迷いながら走っているうちに、ガーミンがピッと1kmを示します。
「4分28秒」
3時間10分切りを目指すには微妙なペースですな。
できれば「キロ4分20〜25秒」で巡行して、ハーフまで2分ぐらいの貯金を作っておきたいところ。
1km過ぎで進路が北向きに変わります。
ぐぬ、なかなかの向かい風だな。
とにかく単独走にならんように、誰でもいいからどうにかしてくっついて行こう。
向かい風区間は1km程度なので、ここはちょっと無理してもペースを落としたくない。
2kmぐらいで、今度は西に進路を変え、向かい風区間はおしまい。
この日の風向きは北東なので、若干、風を背を受けながら走る形になります。
5人ぐらいのちょうどいい集団を見つけましたので、コバンザメ戦法で、こっからオートクルーズモードに入ります。
一旦、オートクルーズモードになると、私は時計も見ずに流れに身を任せることにしています。
5km通過。
さて、ここでタイムチェックをしましょう。
私は基本最初の1km以外は、5kmごとにしか時計を見ません。
いちいち1kmごとにタイムチェックして、「あー、設定より遅い」とか「速すぎる!」とか一喜一憂するのは精神的によろしくないし、何よりも設定通りに走ろうとペースが乱れて後半の疲弊につながります。
一度、体感で「これ!」ってペースを決めたら、あとは淡々と同じ出力で行けるところまで走るのみです。
ガーミンでの表示は22分をちょっと切るぐらいの感じでしたが、50mぐらいの誤差がありましたね。
一応、ガーミンのラップはこんな感じです。
《5km〜10km》(43:55 ラップ21:48)
5kmを過ぎた辺りから、別海の市街地を抜け、民家のほとんどない「The 北海道」とも言える殺風景な広大な景色がひろがります。
こっから折り返しまでは、緩やかに上っていきますが、真っ平らに近いレベルの坂が続くって感じなので、あまり高低差は気になりません。
この辺りから、集団とのペースが「微妙に合わない」と感じるようになりましたね。
走行リズムがどうも合わない。
後でガーミンチェックすると、この辺りは200ぐらいのハイピッチで走っていたので、そりゃあ普通に180ぐらいのピッチの方と走っていても合わないだろうなあと。
「うーん、どうしようか」と、ちょっと迷いましたが、思い切って集団から離れて前に出ることしました。
まあ、しばらくは走りたいペースで走って、ダメそうだったら集団に戻ればいいかと。
んで、新たなコバンザメの対象を見つけようと思いましたが、私の目指す「3時間10分切り」という中途半端な時間帯だと、テキトーな集団が見つからんのですな。
後で、サブスリーを目指していたランナーに聞くと、サブスリーペースではそこそこの大きな集団ができていたという話ですが、小規模のローカル大会ゆえ、キリのいい時間帯以外だと、なかなか集団でペースを作れないのはちょっとしたストレスでした。
この辺は坂があっても、細かくペーサーがついている「作.AC真駒内マラソン」の方が走りやすいと思いましたな。
「あ、この人いいペースかな」と思う方はいましたが、私の経験上、「筋肉質で力強い走りをする若者ランナーは、安定せずに後半崩れる」の法則がありますので、そういう若者ランナーは先に行かせ、単独走で耐えることにしました。
まあ、しばらくは追い風だし、なんとかなるだろう。
あんまり序盤でカリカリして、脳味噌を疲れさせることをしてはいけない。
淡々と一定ペースを機械的に刻んでいこう。
市街地を過ぎてから、沿道の応援がほぼゼロになり、ちょっと寂しく感じるところですが、10km近くでクラブ代表のスコップさんの激を受けて、気合が入ります。
普段一緒に走っている仲間の激励は、特にエネルギーになりますね。
《10km〜15km》(1:06:01 ラップ22:06)
できれば集団で走って、眠るように30kmぐらいまで運んでもらおうなどと思っていたのだが、単独走になってしまったのは仕方がない。
気を取り直して、「オートクルーズモード」で淡々と歩を進めていきましょう。
私の場合、フルマラソンだと10kmを過ぎて25kmぐらいまでが、エンジンがかかり、「一番気持ちいい」と思える区間ですね。
雑念が沸き上がることもなく、走ることのみに集中していきます。
…と書けば、なんかカッコいい感じがするのだが、実のところ、この区間はほとんど記憶がないというのが正直なところ。
そう、10〜25kmぐらいの区間って、「何も考えないオートクルーズモード」だから、特に印象的なことはなくて、記憶に残りづらいのですよね。
ただ、14km地点の中西別の集落では、ほぼ住民総出なんじゃないかというぐらいの熱い応援で、非常にパワーをもらえました。
特にオーバーアクションで「けっぱれー!」と叫んでいたおばちゃん。
おばちゃんが今回の「応援MVP」です!
あのテンションで先頭から最後尾のランナーまで応援していたんだなあと思うと、なんか走るよりも疲れそう(笑)。
「砂漠の中のオアシス」に感じた中西別の集落を過ぎると、また「The 北海道」の「無人地帯」に入ります。
15kmで「メダリスト」一本補給。
《15km〜20km》(1:27:45 ラップ21:44)
別海町パイロットマラソンのコースは、基本、前半は国道243号線をひたすら西に進むという形になっていますが、17kmぐらいから国道を外れて、裏道に入ります。
こっからは南西に進路を取りますので、バッチグーの完全な追い風区間でしたね。
何も考えずに快調に進み、「このまま何事もなくゴールまで行けるんじゃないだろうか」という、ノーテンキな思考回路に入ります。
そんなことはありえないということを、過去数十回のマラソン大会で経験してきたのに、学習機能のない私である。
追い風区間を過ぎ、19kmぐらいから、今度は北西に進路を取ります。
うげげ、向かい風キツイ!
この区間は建物など遮るものが何もない牧草地帯なので、めっちゃ風の影響を受けるのよ。
別海を走るのは今回で3回目であるが、「そういや、この区間ってめっちゃ風強かったんだよな。前走ったときは、サンバイザー吹き飛ばされたんだよな」と改めて思い知らされたのでありました。
(今回は風対策として、ゴムで締め付けのあるサイクルキャップを被っていたので、帽子が飛ばされそうになるということはなかった。風強いところを走るには、意外とサイクルキャップが役に立ちまっせ。小学生の体育帽みたいなダサい見た目が難点であるが)
「ああ、やっぱ集団で走っておけばよかったなあ」と、0.1秒ほど後悔するが、過ぎたことをウダウダ考えても仕方がない。
「前後際断」で、今をしっかり走るのだ。
ハーフを過ぎたら向かい風区間は終わる。
それまで、どうにか耐えていこうではないか。
20km通過で1時間28分弱と、目標の「3時間一桁」の貯金は2分ぐらい。
ここまではいいペースで進んでいます。
19〜20kmのラップが、向かい風の影響を受けまくっているということをモロに示していますね。
逆に言えば、18〜19kmは「追い風参考記録」と言っていいでしょう。
こんな感じで1kmごとのラップは、風や展開の影響を受けることもありますので、あまり気にしないで、5km単位で帳尻を合わせればいいんじゃないかってのが私の考えです。
(つづく)