新釧路川沿いを走っていると、風向きによっては、近くにある日本製紙からのかぐわしきパルプ臭が呼吸を困難にさせ、息苦しくなることがある。
「これはインターバルトレーニングの一種なんだ」と思えばいいのかもしれないが、そこまで割り切れるほど、私は人間ができていない。
しかし、長い間パルプ臭を吐き出しながら、釧路の経済に貢献してきた日本製紙釧路工場も、本日午前10時をもって紙の生産が終了することになり、一抹の寂しさを感じますな。
思えば私が釧路に来たころ、どっかに展示されていたイトーヨーカドーの屋上から撮影された、夕焼け空に映る日本製紙工場の写真がめっちゃ美しいと感じ、「いい街に移り住んだものだ」と思ったものだ。
しかし、2年前にイトーヨーカドーが閉店し、そして今年、日本製紙もなくなり、あの風景をもう一度目に焼き付けることはできないんだなあと残念に思うのでありました。
そんなわけで、今日は日本製紙惜別の思いをこめて、釧路工場敷地外周を走ります。
真ん中の赤白の煙突からは、もう煙は吐き出されていない。
近くに寄ってもパルプ臭はしない。
無臭で走りやすいのは、ランナーにとっては歓迎すべきことかもしれないが、なんかこれじゃない感もありますなあ。
つい最近まで「あぢーあぢー」と文句言ってたのに、いざ気温が下がると「夏が終わって寂しいなあ」となる気持ちに似ているのかもしれない。
煙が出ている煙突は発電設備のものなのかな?
知らんけど。
100年休まずに紙を作り続けた工場は、もう動くことはありません。
童謡「大きな古時計」を思い起こしますね。
日本製紙は今日紙の生産をやめましたが、わが釧路は永遠に不滅です。
さようなら。