4月最初の休み。
まだ右ふくらはぎの肉離れの回復具合は完全ではないが、とんでもない上り坂じゃなければ自転車は漕げるので、「リハビリポタ」として、どっか遠くに行こうと思った。
外は気温一桁とまだまだ寒いのだが、雪も溶けて、気分は開放的になっているのである。
そうと決まれば、自転車旅に必要なものをバババッと用意して、4時起床で、釧路発の始発列車に間に合うように行動するのだ。
5時15分、釧路駅到着。
今日の主役は、最近このブログによく登場する英国製折りたたみ自転車「ブロンプトン」なのである。
16インチ3段変速と、一見自転車旅に使うには頼りなさそうに感じるかもしれないが、「畳んでよし!走ってよし!デザインよし!」と三拍子揃った我が家のエースなのである。
ちなみに今まで最高で一日250km以上走らせたこともあります。
もう多分そこまでの酷使はしないと思うけど、そのくらいのポテンシャルはあるブロンプトン様なのである。
自転車を折りたたみ袋に入れ、5時35分発根室行「快速はなさき」に乗り込みます。
キハ54一両編成で、客の入りは15人程度。
もっとガラガラかと思ったが、意外と人がいましたね。
こんな朝早くからみんな根室方面まで何しに行くんだろう?
私も人のことは言えないが。
定刻通りに列車は発車します。
ガタンゴトン。
この日の釧路は霧模様で、真っ白の空気でした。
釧路川も霞んでいます。
「こんな天気の日に、早朝からこんな列車に乗り込んで、私は何がしたいのだろうか?」と思いっきり後ろ向きの気分になっていますが、乗り込んでしまったものは仕方がないので、行くところまで行くしかないですね。
厚岸の辺りから霧は晴れてきて、少しずつ気分も上がってきました。
冬の間は釧路から出ることがなかったので、余計に「ああ、自分はちょっとした旅行をしているんだ」とウキウキしてきますな。
人間、たまには環境を変えて、どっか遠くに行くことが必要なのである。
7時11分、今回の「リハビリポタ」の起点となる厚床(あっとこ)駅到着。
ここで降りたのは私一人だけでした。
道外の方はもちろん、道内の方でも「厚床ってどこよ?」と思われるかもしれませんので、簡単に説明しておくと、厚岸と根室の中間地点で、根室市街より30kmほど東に離れたところにあります(行政区域は根室市になります)。
写真にもあるように、以前の厚床駅は1989年に廃止された「標津線」との分岐駅でありました。
標津線は厚床から空港のある中標津を経由して、日本有数の鮭の産地である標津まで結ぶ路線でした。
肝心の線路はありません。
ここが旧標津線の跡地ですね。
こういう道をマウンテンバイクでぐあーっと走ってみたいなあとは思いますが、多分、勝手に走ったら怒られるのだろうなあ。
駅舎に入ると謎のピアノがあります。
勝手に弾いていいんだろうか?
まあ、私はピアノが弾けないのでどうでもいいのだが。
バスの待合室も兼ねていることもあり、駅舎はそこそこ広いですね。
現在は無人駅ですが、窓口があったころの名残もあります。
2年前までは厚床の隣に「初田牛(はったうし)駅」というマニアの間ではそこそこ有名な秘境駅があったが、「初田牛まで自転車で行こう!」などというポスターが貼られていましたな。
行きたい気持ちはやまやまであるが、初田牛は以前も行ったことがあるし、今日は別にいい。
今の初田牛駅跡がどうなっているのか、ちょっと気にはなりますが、それはまた今度の機会にしよう。
今度というのは多分5年後ぐらいになりそうな気がするが。
厚床の駅舎。
現在の駅舎は1989年(平成元年)に建てられた割合新しい駅舎です。
こっから中標津方面に向けてバスも走っています。
駅前はびっくりするぐらい閑散としています。
わびさびの効いた「ローカル線サイクリング」のスタートには絶好の場所と言えましょう。
こっからポタポタと、まずは根室市街に向けて走り出しましょう!
(つづく)