最近、市民ランナーの中ですっかり「buff」がトレンドになってしまったようだ。
言うまでもなく、きっかけはノーベル賞ランナーのあのお方だ。
つい最近までは「ジョギングは政府も奨励している」というお墨付きの元、安心して走ることができたのだが、この記事が世に出回るようになってから、すっかり「マスク無しのランニングは悪」という風潮になりつつある。
私ごときの人間が、山中教授ほどの方に対して、この発言の是非をここで論じるつもりはさらさらない。
ただ、影響力のある人の発言はすげー重いんだなということをしみじみ感じるのであった。
んなわけで、山中教授の記事を読む前は「buffって何よ?」レベルの知識であったが、記事を読んだ後、「buffをしないランナーは非国民だ!」レベルまでに、いい感じで洗脳された。
繰り返しになるが、影響力のある人の発言は本当に重い。
一応、ここで「buff」について解説しておきます。
そもそもbuffというのはbuff社の商品名であって、厳密に言えば「多機能ヘッドウェア」の一種ということになる。
まあ、昔、「ウォークマン」がSONYの商品名であるにも関わらず、「ヘッドフォンステレオ」のことを全て「ウォークマン」と呼んでいたこともあったので、その辺の厳密な定義は別によい。
で、この「多機能ヘッドウェア」である「buff」は、どういう特徴があるのかと言うと、マスク代わりとして鼻や口を覆うことができることにある。
とにかく「日本のランナーはみんなbuffをつけて走れ!」と山中教授に命令されたわけだから仕方がない(超拡大解釈。しかし、実質そのくらいの強制力はある発言だったと思う。私が気にしすぎているのだろうか?)。
Amazonでbuffっぽいものを探してポチりしたのでありました。
本物のbuffはお高いので、とりあえず890円のこれでいいだろう。
もし不都合があったら別のものを買えばいい。
とにかく今は一刻も早くbuffを手に入れることが大事なのだ。
buffは注文して2日で届きました。
さすがAmazon、仕事が早い。
「ネックウォーマー」って謳っているだけあって、なんか分厚くて、これでまともに呼吸できるのかなって気もするが、もうこれでいい。
とにかくこれで走るのだ。
ということで走ります。
鼻の部分がメッシュ状になってるから、思ったよりも呼吸は楽だが、これでくしゃみしたら飛沫が飛んで、感染症対策としての意味はないのではないか?
そんな疑問がふと湧いたわけだが、問題はランニング中遭遇する人に対して
「ああ、この人はきちんと鼻と口を覆っていて、ランナーとしてのエチケットを守っているなあ」
と思ってもらうことなので、とにかくこれで走り続けるのだ。
今日も幣舞橋からの朝日が鮮やかだが、それにしてもメガネが曇る。
ここでメガネに戦力外通告を下すことにして、メガネ無しで走ることにした。
私は視力0.1以下のど近眼であるが、足元と信号さえ認識できればいいだろう。
真っ白なメガネで走るよりはマシだ。
春採湖に映る朝日が美しい。
早朝のランニングは正義である。
どことなくbuffをつけると、横顔が正義の味方っぽく見える。
いくら人通りの少ない早朝の釧路でも、最初の写真のように「スパイダーマン」で走る勇気はなかった。
早朝ではあるが散歩する人がそこそこいる春採湖。
先週はマスクしていなかったこともあり、挨拶してくる人に対して、荒い息で大きな声で返すとマズいんじゃないかと、蚊の鳴くような声で申し訳なく挨拶を返したのであったが、今日は堂々とさわやかに「おはようございます!」と70デシベルの声で返すことができた。
buffは朝のコミニュケーションを円滑にするのである。
春採湖の散策路は未舗装部分が多く、プチトレイルっぽさを味わえるのがいいね。
市街地から近いところに、こういうランニングスポットがあるのはありがたいです。
ということで、釧路の魅力がギュッと詰まった「幣舞橋+春採湖」の15kmランを午前6時前に終わらせ、今日もさわやかな朝を過ごすことができたのであった。
《EXIO buffもどきのまとめ》
・メガネは曇るので外した方がいい。
・素材は厚く、釧路のような寒い街ならいいが、気温が10度以上になると使う気にならないと思う。今のうちにもっと薄い素材のものを探しておこう。
・通気性は思ったよりよい。ただ長くて急な上り坂だと、鼻呼吸だけでは走れない。
・何よりマスク無しで走っていたときのような「後ろめたさ」を感じないのが、精神衛生上一番いいですね。山中教授のお墨付きをもらったような気分で、正々堂々公明正大に走ることができるのは何よりである(とは言え、ソーシャルディスタンスには気をつけるのは言うまでもないですが)。
ランナーを良くない目で見ている人々もいるということを十分考慮して、ランナーエチケットを守り、かつ、ストレスなく走れればと思います。
さようなら。