金曜日に4回目のコロナワクチンを接種しました。
過去3回は「ファイザー」でしたが、今回は「初モデルナ」。
モデルナの方が副反応が強いと聞いていたので、打つ前からガクガクブルブルものでした。
一晩あけた土曜。
過去3回よりも腕の痛みは少なく、特に身体の異変もなく、「なんだ、モデルナ楽勝じゃん」などと思っていました。
ところが、土曜の昼になってからモデルナが本気出してきます。
ダルくて熱っぽくって全く動けず。
こりゃダメだと、家から出ずにほとんど横になって過ごしておりました。
恐るべし、モデルナパワー。
日曜になって、熱っぽさは抜けたが、ダルさは取れず、クラブ練習会はパス。
昼過ぎになって、ようやく日常生活を送れるレベルに復活しました。
ファイザーに比べ、結構副反応はキツかったが、これで「十勝岳トレイルラン」「北海道マラソン」に、より不安の少ない状態で参加できると思えば、このくらいのしんどさは大したものではない。
むしろ、よい休足になったとプラスに考えていこうじゃないか。
んなわけで、今週末は「どうせワクチンの副反応で動けんだろう」と、読書にふけることにしました。
原裕美子「私が欲しかったもの」
2010年の「北海道マラソン女子優勝」という輝かしい実績のある原さん。
私が参加した2016年の北海道マラソンでは、アンバサダーとして、コース上で笑顔を振りまきながら、私達市民ランナーを一生懸命に励ましていた姿を覚えています。
それだけに読んでいて切なくなる内容でしたね。
「厳しい減量司令」「食べ吐きの繰り返し」「故障」「元コーチの裏切り」などなど、順風満帆ではない競技生活で、精神的に追い込まれていく。
その中で「万引き」に手を染め、病的な「万引き依存症」になっていく。
それでも、最後の方に書かれていた「プライドを捨てて、自分の全てをさらけ出して、立ち直ろう」という姿には救いが見られました。
人間、オリンピック出場とか、そういう派手な目標に突き進み、目標を達成するのも大事だとは思いますが、それ以上に「壁にぶつかったとき、どのように乗り越えていくかの方が大事である」と思ったわけであります。
北田雄夫「地球のはしからはしまで走って考えたこと」
「世界7大陸アドベンチャーマラソン走破」達成、「世界4大極地最高峰レース走破」チャレンジ中という、「すごい」とか「変態」とか、そういうものを突き抜けているアグレッシブな方です。
世の中にはUTMBなどの「山岳100マイルレース」や、ギリシャの246㎞マラソンである「スパルタスロン」を超えるとんでもないレースがあるのだなあと、他人事のように読んでいました。
もうちょい私が若かったら、彼の行動に感情移入することもできたと思うが、なんか彼の文章を読んでいると、亡くなった登山家栗城史多氏っぽい危うさも感じるなあと。
もちろん、ウルトラマラソン以上に過酷なアドベンチャーレースにチャレンジする行動力はリスペクトしますが、彼を熱狂的に応援する「信者」に持ち上げられて、自分の力量をはるかに超えた無謀な挑戦に走らなければいいなあなどと、老婆心ながら思うわけであります。
末續慎吾「アスリートの本質 最強スプリンターが語る勝敗哲学」
「2003年世界陸上200m銅メダリスト」の末續さん。
本文中に書かれているように、末續さんは「感性の人」なので、理屈脳の私には理解できないところが多々あるが、とにかく「深い」。
為末大さんもそうだが、同じ走る人でもマラソンランナーよりもスプリンターの方が「求道者」っぽいところがあるのかなあと。
「目標は多面的な球体である」なんて、正直、日本語として何言ってるのかよくわからんのだが、「おお!そうか」と妙に納得するところもあったりして、不思議な本。
もし、アスリートの本質があるとすれば、自分自身のために一生懸命やっていることが、誰かを幸せにできるということだ。メダルだけを目指していた時は、そこに目と心が行かなかった。
アスリートの持つ力は、そういった理屈じゃないところで人の心を動かしたり、物質的じゃないものを与えたりできること。見る人たちに純粋に「応援したい」と思ってもらえるか。そして、いかに感動という瞬間を残せるか。
今回は、まだ7歳の子供に心から「頑張れ」と言ってもらえた。
この後のビールは、本当にうまかった。
私はアスリートでもなんでもないが、2週間後の「北海道マラソン」では、一人でも多くの子供に応援される存在でありたいと思います。
さようなら。