別に私は腰の痛みで悩んでいるわけではないのだが、とあるサイトで「ヒーリング・バックペイン」という本に言及されているものがあり、「ひょっとして、最近の私の謎の体調不良の原因はこれか!」とAmazonの古本でゲットしました。
ちなみに武田鉄矢さんも、ラジオでこの本について語っており、「この本を読んでから、痛風発作がピタッとおさまった」とのこと。
ホントかいなと思ってしまうが、まずは本を読んでみて判断していこうではないか。
この本の筆者である「サーノ博士」は、れっきとした西洋医学のお医者さんで、大学の教授も勤めていた方です。
肩書に弱い私は、「どっかのスピリチュアルマスターや霊能師が書いたものよりも信用できるというものだ」と、権威に騙されやすい性質を持っているのである。
で、サーノ博士曰く、国民病と言われるような「腰痛」「肩こり」の原因の多くは何かと言うと
TMS(緊張性筋炎症候群)
という聞いたこともないワードである。
翻訳本らしく、まどろっこしくて冗長な記述が目立つが、私なりに要点だけをドーンと説明すると
TMSは、抑制された心が、身体の痛みとなって出てくるものである
ということだ。
真面目に腰痛治療に臨んでいる方は、もうこれを読んだだけで「こんなのデタラメだ!」と、この文章を読むのをやめたくなるだろう。
その気持ちもわからなくもないが、まあ、人の話は黙って最後まで聞きなさい。
痛みが出る仕組みをかいつまんで言うと
・ストレス等で心が抑圧される
・自律神経が乱れ、筋肉等に緊張が走る
・酸素や血液などの流れが悪くなる
・悪くなったところに痛みが生じる
・で、人間の心は痛みに集中し、抑圧された心に目が行かなくなる
うーむ、そうなのか?
何かこうやって順序立てて理屈で説明されると「そうなのかな」って気分になる。
私自身「抑圧された心」という点については、身に覚えがある。
それは、とある女性と交際していた時だ。
その女性は、「思ったことを話してくれない。本心を隠している」と、しょっちゅう無口な私に、「もっとしゃべんない人は無理。別れる」と言ってきた。
今思えば、素直にそのまま別れればよかったのだが、そのときは、まだ結婚もあきらめていなかったときだし、「そうか。しゃべらない私が悪いんだ。もっと無理していっぱいしゃべんなきゃならないな」と、「饒舌キャラ」を演じることにした。
自己評価の低い私は、「相手の気に入られるように行動しよう」と思ってしまうのである。
で、とりあえず思ったことをしゃべんなきゃならないなと、彼女の考えに反することを口走ったらガチギレされた。
ちょうどそのときは、二人でハワイ旅行をしていたときで、メンタルの弱い私は、そのままホテルの25階から飛び降りたくなるような衝動に駆られた。
すっかり私は彼女が「恐ろしい」と感じるようになり、ハワイから帰ってきて、半年ぐらい音信不通になったのち、最後は「着信拒否」という卑怯な手段を使って強引に別れた。
それがトラウマになっているのか、「そっか、私は本音を言うと人を怒らせるのだ。思ったことを口に出してはいけないんだ」と無口キャラに拍車がかかり、ますます自分に閉じこもるようになったのである。
結局何が言いたかったのかというと、私のそういう「抑圧された心」が原因となって、自律神経を狂わせ、体調不良に拍車がかかったのでないかという気もする。
実際、この本を読んだ2週間前に、「ああ、体調不良は、自分の心が作った自作自演なんだな」と気づいてから、ビックリするぐらい体調が回復してきたのであった。
もちろん心だけが原因だとは言い切れないが、「心が身体の痛みを作る」ということもあるのではないだろうか?
「ヒーリング・バックペイン」、謎の体調不良に苦しんでいる人にとっては、非常にいいことが書かれているのだが、さっきも書いたように、冗長で要点がわかりにくいのが難点だな。
第4章の治療法のところだけを何回も読み込めば十分なんじゃないでしょうか。
あと、病気に対する心構えとしては、エックハルト・トールの「ニューアース」第4章の「病気とエゴ」のところや、「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」第10章第4節の「病気はさとりのチャンス」ってところも参考になると思います。
「病気にしがみついて、病気を自分のアイデンティティにするところ」が、病気の治癒を遅らせる原因になると私も思うで。
ただ、サーノ博士も言っていますが、「痛みの原因がTMSにあると思うのは、あくまで最後の手段」であり、それまではきちんと原因を解明するために病院に行って、心以外のところに疾患がないか診てもらいましょう。
さようなら。