スタートラインをまたぐ前に、すでに大会を満喫しまくった私は「このまま帰ってもいいかなあ」という気持ちになりかけていたが、本来の目的を見失ってはいけない。
29㎞スペシャルエイドに出てくる「Rimoのジェラート」のために走りましょう。
いや、ジェラートじゃなくて、ゴール目指せよ。
8時59分、定刻より14分遅れで、「コスプレ軍団」の網走マラソンは始まります。
最後尾スタートの我々に対しても、水谷網走市長はにこやかに見送ってくださいました。
開会式の挨拶でも感じましたが、この大会、市長さんを始めとする網走の皆様の熱い想いをひしひしと感じます。
この熱意をしっかり受け止めて、42.195㎞の道のり、精一杯楽しみます!
沿道の皆様、肌寒い中、暖かいご声援ありがとうございます。
声援パワーと、「釧路スパカツ」パワーで、長い道のりを乗り切っていきましょう。
網走刑務所のシンボル「鏡橋」で、「コスプレ軍団」を率いる私。
まだ9月になのに、かなり木々は色づいているなあ。
さすがは道東のマラソン大会である。
刑務所敷地を抜けて、網走市街に入ります。
北海道マラソンのような、大群衆の鈴なりの応援はありませんが、その分、密度の濃い暖かさを感じます。
にぎにぎしい都市型マラソンもいいが、このような、のどかな雰囲気もまたよい。
あー、歩道橋の上から、応援ありがとうございます!
同じ42.195㎞でも、場所を移すだけで、全然違う競技に感じるなあ。
市街地を抜けて、4㎞地点で、早くも信じらないエイドが現れます。
鉄砲汁キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
まだ1/10も進んでいないのに、こんなに豪華なものをいただいていいのでしょうか。
これが網走の持つ力なのか。
汁だけではなく、身の詰まったカニが入っているところも素晴らしい。
まあ、タイムを狙うガチランナーは、カニの身をほじくって食っている場合じゃないと思うが、私のようなのんびりランナーは、身までしっかり味わいつくしましょう。
うぉー、序盤からテンションが上がるぜ!
ごちそうさまでした。
右手にオホーツク海を見ながら、自然を感じます。
しかし、この程度の自然は、まだまだ序の口なのであった。
真の網走の絶景は、こっからが本番なのである。
オホーツク海と紅葉をバックに、喜びながら走る私。
こんなところを走らせてもらうと、自然と笑顔になっていくと言うものよ。
暖かい応援演奏ありがとう!
おっさんも頑張るよ!
しかし、コースは5㎞を過ぎたあたりから、網走マラソン名物「激坂」に入ります。
ウルトラマラソンだったら、この程度の坂は大したことがないのかもしれんが、フルマラソンでこれだけ上らされるのは珍しい。
約1㎞、体感8%ぐらいの斜度の坂を上ります。
あー、しんど。
写真撮る余裕もなし。
のんびりペースで、7.8㎞地点のエイドに入ります。
しかし、ここで衝撃の事実が…。
「地産ミニトマトはなくなりました」
まあ、マラソン大会で、後方のランナーにエイドの品が残されていないことは、よくあることだ。
余して廃棄にするよりはよっぽどいいので、トマトがないことに対するショックはそうでもない。
ただ、このペースで行くと、「楽しみにしていたRimoのジェラートもなくなってしまうのではないか?」という危惧を感じたのであった。
せっかくの「10回大会記念」のジェラートを逃すわけにはいかない!
こっから私の「サブジェラート」に対する戦いは始まったのであった。
つーわけで、パワーアップして、森の中のうねうねとしたアップダウンの道を走りましょう。
10㎞のエイドで出されたものは「お菓子な牛乳かい」と「流氷飴」。
味はうまい。
ただ、これをお土産に買ってまで食べたいかと言われれば、正直ビミョー。
(個人の感想です)
うねうねとした森の中を抜けると、再びオホーツクの海がダダンと現れます。
14㎞地点「能取岬」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
灯台周りの芝生の道が、今までアスファルト路面でいじめてきた足に優しい。
未だかつて、フルマラソンで、こんな風光明媚なコースを走ったことがあったでしょうか。
ずーっと単調な森の中を走ってきただけに、余計に能取岬の鮮やかさを感じられるのであった。
これで晴れていたら、もっと「映える」景色になっていたと思うが、走っている身からすると「これでもう十分おなかいっぱい」という感じです。
この辺りは「5時間ペーサーさん」と一緒になっていました。
結構「ガチモード」になっていたので、笑顔をふりまく余裕もありません。
このままサブ5ペースで進んでいけば、ジェラートには間に合うかな?
能取岬の灯台をぐるっと回って、14.4㎞の大エイドに入ります。
エイドの品は、フライパンに載せてもらいました。
網走のようにエイドが充実した大会は、食べ物を入れる容器があると、よりエイド食を楽しめるかも。
エイドスタッフの皆様もノリがよく、楽しいひとときを過ごしました。
オホーツク海を眺めながら、エイド食を堪能します。
あー、いも団子うめー。
かぼちゃ団子うめー。
あんぱんうめー。
牛乳うめー。
(語彙力なし)
未だかつて、海を見ながら、こんなに優雅にエイド食を満喫できるマラソン大会があったでしょうか。
しかし、本来の目的を見失ってはいけません。
こっから「サブジェラート」に向けた中盤戦が始まります。
(つづく)